内容説明
「判決重うなったんは、あんたのせいや!」劇場で見るような、怒り、涙、かけひき、ため息、飛びかう法律用語、適切な訳語への迷い――「裁判で通訳する」リアルを描き出す、胸を衝く法廷ノンフィクション。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tomtom
13
裁判所の通訳は、意味が通じれば良いわけではなくて直訳しないといけないというのはまた大変なんだろうな。辞書にも載っていない言葉も出てきたり、通訳者に対しての家族の視線だったり苦労が感じられる。オーバーステイが意外と多そうで驚いた。2022/05/25
Nobu A
10
丁海玉著書初読。名前から中国人か韓国人だと類推したが性別は推測出来なかった。在日韓国人女流作家。読書の醍醐味は感情移入しながら未知の世界を追体験出来ること。通訳業務も法廷だけでなく医療、会議、ビジネスと細分化されているが、筆者の思考や苦悩を通して実情を窺い知ることが出来た。報酬問題や人材確保及び育成と問題が山積しているが、グローバル化が進展する日本も無視出来ない。言語的にも文化的にも習得しやすい感国語母語話者だけでなく英語や他言語の状況も知りたくなった。また欧州は通訳翻訳業界が遥かに整備されていると聞く。2024/08/31
tellme0112
9
読んでてヒリヒリする。法廷通訳人。こんな本を読みたかった。トラウマが癒される。通訳人同士の勉強会とかあるんだろうか。相手との距離の取り方、難しそう。だから私は諦めたんだったなと思いだした。セルフケア必要だよな。完徹する弁護士もすごい働き方だが。裁判員裁判のしんどさは、ありえねー!休憩入れなくちゃ!と心のなかで叫んでた。2021/06/03
こばゆみ
9
たった1つの言葉で判決が変わってしまう可能性を秘めている場面での通訳、その大変さがとてもよく伝わってくる。法廷内で発せられた言葉だけを訳すので、「どういう意図で発せられた言葉なのか聞けない」もどかしさも。裁判用語が丁寧に解説されているので、裁判自体に興味がある人にとっても有益な本だと思った。2020/07/17
おおっぴら
4
フィクションだと思って読み始めました。ノンフィクション帯に書いてあったのに。残念がる暇もなく引き込まれました。このような職業があるというのは知っていましたが、同時通訳といっしょでしょというイメージでした。自分の感情をこめてはいけない、意訳してはいけないという法廷通訳独特の制限になるほどと。日本語と外国語の単語が1対1でないための大変さや、訳のミスによる裁判絵の影響へのプレシャー等が法廷通訳しならではの冷静な語り口に惹かれました。2022/03/08
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