内容説明
古代から現代にいたるまで,日本人はそれぞれの課題に真剣に取り組み,生き方を模索してきた.その軌跡と厖大な集積が日本の思想史をかたちづくっているのだ.〈王権〉と〈神仏〉を二極とする構造と大きな流れとをつかみ,日本思想史の見取り図を大胆に描き出す.混迷の今を見据え,未来のために紡がれる,唯一無二の通史.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
55
日本の歴史と思想を、超特急の駆け足でなぞった一冊。近世までの日本の思想が、「王権」と「神仏」という二つの極の関係を踏まえて展開されたことが、改めて実感される。更に、その背景に、中国との対比(冊封、易姓革命、日本型華夷主義など)があり、神・仏・儒の力関係が、時代に応じて変化していく様子が明らかにされる。末木先生らしく宗教的視点が中心だが、でも、この本には、「日本仏教史」の時のような多くの気付きを得た感動はなく、カタログを読むような上滑りした印象が残る。新書で「日本思想」の通史を示す限界かもしれない。2020/04/27
壱萬参仟縁
50
初心者は、同著者の角川書店から出ている『日本の思想をよむ』を先に読むのがよい。というのも、7頁の用語の読み方が書かれているから。ここでは敢えて書かないでおきます。調べる楽しみが本書には結構あるので。意外と日本人なのに学校でも教わらない人の名前が半分以上。人物を調べる意味も大きい一冊。読み方にルビが多数つけられているのは非常にありがたい。倫理の授業受けていないが、新書としてはかなりの専門性があると思う。2020/06/06
masabi
16
【概要】王権と神仏の二極から日本の通史を読み解く。【感想】日本史の知識が欠けているために初めて知ることばかりだった。王権と神仏の蜜月、対立と王権と神仏の距離感で日本史を描く。王権と神仏を包括する戦前の天皇制と後醍醐天皇が近しいなどおもしろい指摘があった。2020/02/11
浅香山三郎
15
日本思想史を神仏と王権、学芸と生活の2軸をベースに、王権の内実や仏教などの受容・思想的展開を加味しながら論じる。近代以降のところで、「キリスト教の受容と仏教界」(第10章)、「生命主義とオカルティズム」(第11章)などの観点があるのが、先に読んだ著者らの『死者と霊性』(岩波新書)の関心にも繫がつていく。論点は多岐に亘るが、日本の各時代の思索の位置を摑むにはよい本。2023/06/07
俊介
15
高名な仏教学者が書いた日本思想史。2020年刊だから日本思想史と銘打たれた本の中でも最新版と言えるか。時代は飛鳥時代から現代まで。本文で240ページ程度なので駆け足にはなってしまうが、著者独自の視点で見取り図を描いており、分かりやすかった。ただその独自性がはっきりと見えてくるには流石にこのページ数では限界があるなとは感じた。2020/04/21
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