内容説明
日本一成功したサラリーマンは都営団地に生まれた庶民の子だった。
1996年1月、ソフトバンク社長室の一角で『Yahoo! JAPAN』は産声を上げた。
専属スタッフわずか3名のその会社を、「年商1兆円」の巨大IT企業に育て上げた男の存在はほとんど知られていない。ヤフー、そして日本のインターネット産業はどうやって生まれたのか――。
序章 三〇億円の隠れ家/第一章 突然の死/第二章 都営団地が生んだ天才/第三章 タイムマシーン経営の原点/第四章 ソフトバンクの遊び人/第五章 ならずものをかき集めて/第六章 孫正義の操縦術/第七章 知られざる趣味の世界/第八章 思い知った限界/第九章 趣味人として/終章 天才の死
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鉄之助
225
日本のインターネット産業の基礎を作った井上雅博を、全く知らなかった!ヤフー・ジャパンの創設者にして、社長引退後はクラシックカーやワインに情熱を燃やした趣味人に。アメリカで創業したヤフーが、当時の勢いがない現状でヤフー・ジャパンが本家を凌ぐ№1企業となったのはなぜか?そして井上さんの突然のクラシックカーレースにおける事故死…。ドラマ以上にドラマチックな一生に圧倒された。森功さんの、足を使った地道な取材力にも脱帽。2024/01/22
trazom
53
孫正義氏に唯一NOと言える男であり、ヤフー・ジャパンを育て上げた井上雅博氏の評伝。祖師谷団地の平凡な家庭に生れた井上氏が、個人資産一千億円を超える成功を収める物語である。箱根の別荘やクラシックカー収集に熱中する人間像は魅力ではあるが、経営者としての本質――PCからインターネットそして携帯へとIT環境が大きく変化する時代に、なぜヤフーのポータルサイト・ビジネスが成功できたのか。井上氏の経営判断はどこにあったのか――が浮き彫りにされないのが残念。カーレースでの事故死という結末が、余りにも衝撃的だったからか…。2020/07/19
T2y@
49
前Yahoo社長の評伝。図書館で走り読みながら予想以上に引き込まれた。晩年の貴族的な生活。趣味の世界へと没入しながらも、世間で目立たぬ様、大っぴらにする事なく。団地育ちの庶民感覚からなるものか。仕事においては、「自分がつくったものは全部壊せ」とあっさり見事な引き際。ご本人退任後の振るわぬ業績・株価を見るに、経営力評価は後付ながら高まる。衝撃的な最期が無ければ、早期ナイスリタイアのモデルになっただろうに。 2023/06/05
kawa
33
ヤフージャパンを1兆円企業に育て上げた天才経営者・井上雅博氏の伝記。彼の後人生は、55歳での鮮やかな引退、セレブな趣味生活を楽しむのも束の間に、クラシックレース参加中の事故で60歳で逝ってしまった。「仕事は遊びの延長」、「天才は、蝶を追いかけて山の頂まで登ってしまう小さな子供のことであるー。」(ジョン・スタインベック)そんな様を絵に描いたような人生。色々な方々の人生の一端を垣間見れるのも読書の功徳、合掌。2020/08/31
booklight
32
そんなにならずものでもなく、この時代の風をしっかりとつかんだ人、という印象。yahoo Japanを育てた社長の手腕というとこがイマイチフォーカスされず、引退してからの趣味の世界も詳しく描かれているが内面まで深く入れていない。タイムマシーン戦略で時代を読んで、きちんとして経営感覚を持っていて、孫ともうまくやれたというのがポイントか。クラッシックカーレースでなくなったにニュースでは、通常のビジネスマンの文脈にはないひとだな、と感じたが、1000億の資産をもってもなんだか幸せではなさそうは気配もあった。2024/08/24
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