筑摩選書<br> アジールと国家 ──中世日本の政治と宗教

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筑摩選書
アジールと国家 ──中世日本の政治と宗教

  • 著者名:伊藤正敏【著】
  • 価格 ¥1,705(本体¥1,550)
  • 筑摩書房(2020/05発売)
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  • ISBN:9784480016874

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内容説明

世俗の権力の及ばない避難所、聖なる別天地としてのアジールは、人々を魅了し歴史の中で大きな役割を果たしてきた。比叡山、高野山、東大寺などは、個人支配者を持たないまま、国家権力と鋭く対峙する存在であった。また、天皇を超える権威を仏神に認めた彼らは、時には内裏にまで押し入って自らの要求を押し通した。寺社勢力を中心に無名の大衆の実力を探る。日本中世を舞台に、アジールの在り方と意義、盛衰を跡付ける一冊。

目次

序章 日本中世のアジール
第Ⅰ部 概念
第一章 アジールとは何か
1 概略
2 アジール法と国家の法
3 実利主義的段階のアジール
第二章 魔術と迷信の中世
1 非科学的世界
2 国家統一のための二つの文化
3 寺社勢力抹殺史
4 寺社勢力論と「無縁・公界・楽」
5 中世考古学の世界
第三章 日本アジールの特質
1 アジールとしての寺社勢力
2 上からの民衆闘争
3 一味・一同・一揆
4 行人の歴史
第Ⅱ部 日本アジールの通史
第四章 アジールの成立
1 下からのアジール形成
2 強化されるアジール法
3 絶対アジールの成立
4 国家権力と絶対アジール
第五章 アジールのルール
1 アジールと財
2 アジールの「支配者」
第六章 退化するアジール
1 悪党
2 末期症状
3 アジールの領邦化
4 世俗のアジール
5 再びの退化
6 アジールの廃止
第Ⅲ部 アジールの諸問題
第七章 アジール・境内都市・歴史
1 アジール法の三類型
2 家のアジール
3 無神論的行為
4 都市のあり方
5 相対アジールと絶対アジールの共通点と相違点
6 国家とその外
終章 アジールと国家
1 アジール論から歴史学を見直す
2 歴史学からのアジール論の修正
3 アジールの歴史的意義
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

moonanddai

9
網野氏が言う「無縁」が、街道、市、津、泊、山林、墓所といった、(何というか)ソフトな感じの場所を主に扱っていたようですが、本書では武力あるいは経済力といった強制力を持つ、叡山や南都といった寺社勢力「も」アジールであるとし、中世世界をとらえようとしているものと理解しました。ここでいう「寺社勢力」も、黒田氏のいう「権門」の一角を占めるというのではなく、行人、聖といった下層民が実権を握り、朝幕という支配層と対峙あるいは補完する勢力とする社会構造も、イメージできたような気がします。(自信はありませんが…。)2022/08/31

takao

1
ふむ2025/05/04

Go Extreme

1
アジール: 不入権 宗教教団 世俗国家 不可触性 不可侵性 国法 制裁執行 権力関係 寺社勢力: 経済的権力 宗教的側面 民衆闘争 神霊媒介 独立勢力 影響力 権力者 支配構造 アジール法と権利: 検断不入 諸役不入 財産権 保護機能 権力抵抗 法的概念 法的執行 財産保管 役人介入 歴史的変遷: 呪術的段階 実利主義的段階 圧力対抗 民衆権利 退化過程 豊臣政権 中央集権化 組織変容 室町時代 意義と評価: 歴史的影響 権力関係 避難所機能 社会構造 再評価 経済的影響 終末期 国家統制 移行過程2025/02/18

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