ちくま学芸文庫<br> 日本の神話

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ちくま学芸文庫
日本の神話

  • 著者名:筑紫申真【著】
  • 価格 ¥1,155(本体¥1,050)
  • 筑摩書房(2020/05発売)
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  • ISBN:9784480099570

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内容説明

古代日本においては、統治の正統性を確立するために、征服した部族が、征服された側の神話を、自らの神話に取り込んだ。そうして出来上がったのが天皇家の神話、記紀神話である。記紀神話の成立にあたっては、天皇家に征服された伊勢の豪族、度会氏、宇治土公氏がすすんで協力した。その結果、伊勢地方の太陽神であったアマテラスが万世一系の祖先神となる。しかしなぜ単なる一地方神が皇祖神に選ばれたのか?それはアマテラスが、日本人にとって最も当たり前で受け入れやすいタイプの神だったからだ。国家統治のために創り上げられた神話を元の地方神話に解体し、日本の神の原初の姿を取り出して見せた、画期的な研究。

目次

Ⅰ 神話をつくる人びと
神話は生きている
浴みする美女
神話の普及
国歌「君が代」への幻想
海から天へ
神話のプロット
Ⅱ 日本神話の基盤
八島
贄の海の神事
御座の岩
我が君の
興玉
大江
Ⅲ 海から天へ
二見の浦
潜島
夫婦岩
滝祭り
高天原
皇大神宮の前身
Ⅳ 海の信仰と神話
塩こおろこおろ
淡島
飛島
持統天皇の伊勢行幸
海に生まれたアマテラス
Ⅴ 日本の古代信仰
貴船のカミ
舟石
天降りの舟形
倭姫の船旅
プレ・アマテラス
浜の南宮と西宮
恵比須祭り
広田と兜山
カミガミの単純化
佐田浜
日の山
Ⅵ 吉野・熊野と神武天皇
加太の淡島
女の司祭者
淡島と大峰
神武と天武
桃太郎の誕生
雷の父子
鏡宮と朝熊山
雨乞いの聖地
アマテラスの遷幸
熊野信仰
川上から海への展望
Ⅶ カミガミの単純化
宗像のカミ
宇佐八幡
カミの分化
村のカミ
アマテラスの分身
Ⅷ 神路川をめぐって
志摩国
オノコロ島
伊雑宮と青峰
ススキの穂
イセの浜荻
葦原
海豚の参宮
太平洋の七本鮫
因幡の白兎
蛇と豊玉姫
八島国
神話の創作
八咫烏
穂落しのカミ
稚日女
機織姫
海から川上へ
天の岩戸
岩戸の雨乞い
日向という地名
Ⅸ 大いなる神話ニッポン
ヒナタとヒムカ
天孫降臨の伝説地
瀬戸内海
大和の日祭り
日高見国
天照とニニギと神武
宮廷の信仰変遷
Ⅹ 神話の時代
大津皇子の辞世の詩
持統女帝の人間像
神話の迫力
  伊勢の内宮と外宮の関係
川の秘密
水源のカミ
賀茂のカミ
貴船川の説話
皇極女帝の雨乞い
貴船の雨乞い
水戸のカミ
マナゴ岩
高河原のカミ
月のカミと日のカミ
外宮と内宮
朝夕散飯のカミ
白い馬
  固有信仰の復元
海女の垢離かき
ゲーター祭と輪じめ縄
盤の魚となまこ引き
元日と小正月
石採り
潮かけ
杉の小枝
田植え祭
固有信仰の復元
折口民俗学の実証性
ダイジェスト・日本の神話
解説 海から来る神に日本神話の原像を見る試み(金沢英之)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mahiro

11
古来日本の信仰では神は海の彼方からやって来て浜辺でミアレ(生れ、荒れ)して川を遡ってゆくものだったのがいつの頃からか、天から聖なる山に降り立ち川を下って行くものに変化したという所や、古代からの天皇のシャーマンとしての役割、機織り女(七夕つ女)についての考察など、日本各地にある日向の地名の読み方ヒムカとヒナタの違いの意味についてなどが興味深かった。2019/12/04

Junko Yamamoto

1
沖縄のニライカナイからの水平思考とヤマトの天孫降臨の垂直志向。 古代の日本も水平思考であった。高天原、は タカアマガハラ であったろう。それがいつ創作されたかは6ー7世紀ではなくてもっと早かったのでは。。。例えば弥生時代後期。2019/11/15

わ!

0
著者は、中学校の先生を務めながら、一方では神主、そして在野の民俗学者というマルチな活躍をされた方だ。1973年には亡くなられている方で、この本も1964年に書かれたものである。東京オリンピックの年…というと、最近だと捉える人もおられようが、もはや50年以上も昔の話である。そういう意味ではこの本に書かれている民俗学的な情景は、もはや懐かしい日本の姿でしかないのかもしれない。まさに高度成長期の日本の論文なのである。それにしても、著者が書く、海から河口、川上へと移動してゆく祭神の伝播という考えは面白いですね~。2019/12/11

キャメルズボン

0
興味深いが極めて非論理的で屋上屋を架すの繰り返し、実はあるかもしれないが読者には根拠の示されない推定や断定が非常に多い。2020/11/14

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