内容説明
日露戦争勝利により東アジアの帝国としての地位を確立していく近代日本と軌を一にするように、三越呉服店はデパートメントストア宣言を掲げ、呉服店からの脱却をめざす。「学俗協同」を提唱し、欧米経験を持つ文化人で「流行会」を組織し、都市空間を彩るファッション、雑貨、サービスを生み出す快進撃は、当時の女性観や児童観を牽引することになった。一九〇四~一四年、帝国への道を歩む日本を映し出した「三越デパートメントストア」の草創期を、当時の文芸作品や新聞、雑誌などを通して実証的にたどる。貴重図版を多数掲載。
目次
序章 日本のハロッズを目指して―デパートメントストア宣言と「学俗協同」
第1章 極東の帝国とデパートへの道
第2章 西洋視察と流行会の役割
第3章 デパートが文化を編成する
第4章 モードの発信地
第5章 日本近代の「児童」と「新しい女」
終章 「東洋一」のデパート竣工とライオン像
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fwhd8325
60
私の世代にとってデパートは、特別な存在でした。よそ行きの服を着て、大食堂で食事をする。そこは非日常の空間でした。中でも三越は、デパートの中のデパートという存在で、ここへはおいそれと出かけることはありませんでした。まさにキングとして君臨していました。三越誕生は、贅を尽くしたという表現がぴったりのものでした。若い頃は伊勢丹オンリーでしたが、年齢を経て、三越や高島屋といったデパートを利用する機会が増えました。今は衰退している業界なのかもしれないけれど、私はデパートが大好きです。2023/03/29
umeko
12
改めて、現在の百貨店の存在意義を考えさせられる内容だった。(と言っても、ただの百貨店好きなだけだが。)最先端の物だけにはとどまらない、夢や希望・信頼といった形のないありとあらゆるものが詰まっていたのが百貨店だったと感じた。2020/05/01
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