中公新書<br> 佐藤栄作 戦後日本の政治指導者

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中公新書
佐藤栄作 戦後日本の政治指導者

  • 著者名:村井良太【著】
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 中央公論新社(2020/05発売)
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  • ISBN:9784121025708

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内容説明

1960年代半ばから7年を超える長期政権を誇った佐藤栄作。岸信介の実弟で、吉田茂に寵愛された佐藤は、寡黙な官僚政治家との批判が強く、ノーベル平和賞受賞には違和感の声さえ上がった。だが憲法改正を回避し、日米安保体制の安定を確立させる中、沖縄返還、日韓基本条約締結、急激な経済成長に対する社会開発政策など事績は多い。本書は、佐藤の軌跡を追いつつ、核兵器を保有せず大国の地位を獲得した戦後日本を描く。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Francis

18
長期政権を築きながら印象が今ひとつ薄い佐藤栄作さんの評伝。この本を読んだのは私が会員になっている国際人権団体アムネスティ・インターナショナル日本に佐藤さんが加入していたから。タカ派のイメージだったらしいが、実際には現実を把握して現実的な解決を目指す現実主義者であったことが分かる。非核三原則や沖縄問題などでは密約など問題を残してしまったが、事態を解決するためには止むを得なかったのだろう。アムネスティに加入したのは死刑反対、拷問反対に共感したからとのこと。佐藤さんの意外な面を知って嬉しくなった。2020/02/04

かんがく

15
兄の孫の安倍晋三に抜かれるまで、戦後最長政権を築いた佐藤の評伝。今まで、叔父の松岡、師の吉田、兄の岸に関する本は読んだことあったが、彼らに比べると人間的な面白さは劣るように感じた。佐藤本人の問題か、筆者の書き方の問題か。60~70年代という戦後日本の形が定まった時期に関してまとめて理解できた点で時代史としては面白かった。韓国との国交回復、沖縄復帰、核、安保、社会開発、自民党の中央政党化、学生運動と任期中に対応した内容は多岐にわたり、副題の「戦後日本の政治指導者」というのも適切であると思った。2020/05/13

nishiyan

14
生い立ちから晩年に至るまでを記した佐藤栄作元首相の評伝。第五章「沖縄返還の模索」以降に大きく紙面を割かれているのは佐藤元首相の功績として「沖縄返還」が大きいからだろう。興味深いのは佐藤と沖縄の関わりの深さ。岸内閣時代の蔵相として沖縄のドル使用問題に関わり、その下で大蔵政務次官だったのが後に沖縄開発庁長官を務める山中貞則氏。沖縄返還時に起こった円切り上げ問題に二人が尽力することになったのは運命以上のものを感じる。秘密外交や密約ばかりが語られる沖縄返還だが水面下での動きや熱意も合わせて語り継がれるべきだろう。2019/12/29

ほうすう

11
新書にしてはなかなか厚く読み応えのある一冊。佐藤栄作という人物の評伝としては素晴らしく彼がいかに沖縄返還に熱意を傾けていたかということも伝わってきた。一方で佐藤栄作を中心に描かれていて、当然と言えば当然だが、そのため周囲の動きや関係性、彼に反対する人物の意見などが分かりにくい。佐藤栄作の平和賞受賞もこれを読んでいるだけでは至極当然とすら思ってしまうが、なぜ反対意見が出るかなどもうちょっと説明が欲しい。いろいろと思うこともあるが佐藤栄作というのはやはり政治家として器の大きな人物だと思った。2021/08/10

古谷任三郎

9
はしがきの「佐藤栄作はお嫌いですか」には笑ってしまった。佐藤の最大の業績である沖縄返還に関して、「戦争の結果発生した領土の状態を、平和裡の話し合いによって双方が満足する形で変更した世界史上まれなこと」(P.281)と評価する。さらに「佐藤は先人の遺産を受け継ぎ、新たな日本の自画像と課題を残した。戦後日本を象徴する政治家であり、戦後日本を造形した「戦後日本の政治指導者」」(p.394)であったと副題にもある戦後日本の政治指導者としての佐藤栄作を筆者は見事に描き出している。2020/01/30

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