内容説明
40歳以上限定の結婚情報サービス会社で働く桐生恭子は、婚活界のレジェンドと崇められている。会員のカップリング率一位のカリスマ相談員なのだ。恭子の発案で、大邸宅「M屋敷」に交際中の会員を泊まらせ、いっしょに暮らしてみるという「プレ夫婦生活」プランがスタートした。中高年の彼らは、深刻な過去、家族の存在、健康不安と、様々な問題を抱えているが……。人生のパートナーを求める50代男女の滋味あふれる婚活物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
218
50歳からの婚活とある。カリスマ結婚相談員・桐生恭子が真剣交際前のカップル対象に企画した大邸宅での1週間プレ夫婦生活の顛末。暮らしてみてわかることは多々あるよね（汗）過去・家族・・それぞれが抱えている問題点が浮き彫りになるが、その先に進むカップルあり、分かれる者ありで（だからタイトルの文字が一つ斜めなのかな？）仕事上既婚としている恭子自身のこれまでとこれからも絡んで面白く読んだ。若い頃とは違うこの先の人生を思うと、寄り添うパートナーがいた方がきっといいのだろうなぁ。2020/06/12
🐾Yoko Omoto🐾
141
40才以上限定の結婚相談所でカリスマアドバイザーとして活躍する恭子。様々な事情でパートナーを求め婚活する男女に宿泊プランを勧めていくが、次第に彼女自身の人生観が変わっていく様子が描かれる。この年代で新しいパートナーを見つけることは容易ではないのだなとしみじみ。形作られた生活習慣や性格はおいそれと変えられるものではなく、相手との違いには許容より不満が勝る。当然だ。無い縁を無理に結ぶより、自分らしい別の生き方を選んだっていい、そっと包んで前向きな気持ちをくれる読後感が、桂さんっぽくてとても良かった。2020/09/25
よつば🍀
131
テーマは中高年の婚活。主人公は、40歳以上限定の結婚情報サービス会社「ブルーパール」で働き、カリスマ相談員と崇められる52歳の桐生恭子。ブルーパールにやって来るのは癖の強い人物ばかり。53歳という自身の年齢を省みず出産可能な30代女性を熱望する者、大学教授で高収入を鼻に掛け、自らを好条件と言い切る者、自分の美貌に絶対的自信を持ち自分だけを愛する女性。若い時は勢いとタイミングで結婚出来るが、ここまで自我が確立すると逆に難しさを感じてしまう。「プレ夫婦生活」は面白い試みだが両方の家族を交えてなんて修行の様だ。2020/06/14
ごみごみ
128
中高年の婚カツ。お互い高齢の両親や親戚、子どもたちや孫まで巻き込んで１週間の宿泊体験。そこまでする？と思ったけど、交際相手の意外な素顔を知り、自分を見つめ直し、次の一歩を踏み出すきっかけになる。幸せになるための婚カツだけど、結婚＝幸せとは限らない。第３章の純子の決断にエールを送りたい。恭子にも、自分のペースで幸せをつかんで欲しい。2020/07/24
みかん🍊
117
中高年向けのカリスマ結婚相談員が企画した豪邸で体験夫婦生活の5例、相手にまず興味を持って貰う為には好まれそうなプロフィールにする多少の嘘は相手を好きにさせてしまえば見逃してもらえるとアドバイスしてきたがやはり自分を偽っているのはしんどい、一緒に生活すると気付かなかった事が見えてくる、50年程も生きてくれば様々な過去や家族の問題など一片では分からない人生がある、しかしやり直しもまだきく、急がなくてもじっくり考えて決めればいい。親の言いなりになっていた純子さんの件が爽快だった。2020/07/29
