P+D BOOKS<br> P+D BOOKS 十字街

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P+D BOOKS
P+D BOOKS 十字街

  • 著者名:久生十蘭【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 小学館(2020/05発売)
  • お盆休みの読書に!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント25倍キャンペーン(~8/17)
  • ポイント 200pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784093523912

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内容説明

無謬の日本人が大事件に巻き込まれていく。

 しがない画学生の小田孝吉、アメリカでフランス語の講師になることを夢見て貧しい生活に耐えている高松ユキ子、計理士の勉強をしている大学生・佐竹潔、ユキ子を陰で支えている富豪の鹿島与兵衛。なんの落ち度もない4人の日本人が、フランスで疑獄事件や左翼・右翼の権力闘争に巻き込まれ、命の危機にさらされる――。
 小田が深夜の地下鉄で、怪しい男たちが死体を運ぶところを見てしまったところから、物語は息をもつかせないスピードで疾走していく。実際にあった〈スタヴィスキー事件〉を題材に、鬼才・久生十蘭が繰り広げるアドベンチャーストーリー。
 フランス文学者の中条省平氏が解説を寄稿。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

神太郎

27
アドベンチャーストーリーという惹句でしたが、歴史サスペンス小説という解説のジャンル分けの方が正しい。フランスで実際にあった『スタヴィスキー事件』とそれが引き起こしたフランス内乱の二つを中心に、それに巻き込まれた四人の日本人の目線で物語は語られていく。本当に先が全く読めず、着地点も読めない。ハラハラドキドキが最後まで続く。あまりにも強大すぎる闇に途方にくれるしかなく、個人の力ではどうしようもない事もあるというのをまざまざと見せつけられる。陰謀系とか好きな人は間違いなくハマる作品だ。→2021/03/26

あ げ こ

17
途方もなく不条理で、惨たらしい。とんでもない事に巻き込まれてしまっている。あまりにも根が深く、底が知れず、強大。手のつけようがないほどに、腐っている、腐り切っている。保身、欲望、憤懣、清濁どちらも、入り混じり、うねりと化しており、逃れ難く、避け難く。惨めにも翻弄されるほかのない、個々の無力さよ。恐ろしい。その高まり。異物を排するかの如く個々を平然とひねりつぶすやり方。真実など容易くねじ曲げられてしまう。魑魅魍魎めいた闇とうねり、巻き込まれた者達の無力さと奔走する様、久生十蘭の瀟洒にして冷徹な筆致が映える。2020/09/15

みのくま

6
1933年に起こったスタヴィスキー事件に巻き込まれた4人の日本人を描く本作はパリ市内の不穏な雰囲気と外国在住の心細さが混ざり合って直に伝わってくる。そして最後の最後まで理不尽な事件は続く。そもそもパリに流れ着いた4人の日本人はそれぞれ既に不遇な境遇なのだ。それにも関わらず非情な運命から逃れられない。読者は本作からどの様な事を受け取るだろうか。どこまで逃げても理想郷には辿り着けない絶望か、それとも万国共通の愚かさに安らぎを得るだろうか。本作刊行の約10年後学生運動が起こりまさに日本も似た情景になったのだろう2025/01/22

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