新潮選書<br> 「悟り体験」を読む―大乗仏教で覚醒した人々―(新潮選書)

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新潮選書
「悟り体験」を読む―大乗仏教で覚醒した人々―(新潮選書)

  • 著者名:大竹晋【著】
  • 価格 ¥1,540(本体¥1,400)
  • 特価 ¥1,078(本体¥980)
  • 新潮社(2020/05発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784106038495

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内容説明

「悟る時は真理の方が人に迫ってくる」(菩提達摩)、「心は驚きのもと崩落した」(白隠慧鶴)、「これが無なのだな!」(鈴木大拙)、「自分の大きさ、広さにびっくり仰天」(長沢祖禅尼)、「宇宙一元! 大歓喜!!」(井上日召)……臨済宗から日蓮宗まで約五十人の「悟り体験記」を読みとき、目くるめく境地の真相に迫る。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ねこさん

30
宗教体験は個人的なもので、行為を真似たとて結果は得られない。後進のためにはむしろ隠しておくべき類のものだろうし、語ることは既に自我の肥大が疑われる。故に批判や否定の中には方便もあるだろう。著者もまた、自分は悟りを経験していないと断る。ここでは悟りを五つの段階に分類している。各境地については更に体験者としての分析が欲しい。雑感だがまず人を悟りへと駆り立てる動機については詳しく語られるべきだし、十牛図について触れないのも惜しい。しかしそのエピソードの量、批判、否定論についての考察など全体を通して興味深い内容。2020/06/12

俊介

18
深く考えたことなかったが「解脱」と「悟り」は違うのか。前者は仏になるという意味で、仏教徒にとって最終ゴール。後者は、神秘体験のようなもので、段階を踏むこともあるし元の状態に戻ることもある。「気付き体験」とでも言えるか。本書が扱うのは後者。まず、主に臨済宗の僧侶を中心にだが、幅広い人物の「悟り体験」をひたすら紹介する。ここは評価が分かれるとこだろう。神秘体験に縁がないものにとっては読んでて疲れた笑。しかし、そういうものを感じたことのある者にとっては有意義なのではないだろうか。後半の著者による分析は面白かった2020/04/18

はるわか

13
修験道の始原に日本の自然信仰があることは確かだ。そういう意味で修験道は役小角以前から存在していた。おそらく自然信仰を土台に、仏教、道教とも結びついた民衆社会の信仰文化として形成されたと考えられる。役小角は三輪氏系統の加茂氏の出。自然信仰や土着信仰と融合するかたちで仏教も再創造された。明治5年の修験道廃止令が出されたとき、失業したプロの修験者は約17万人(当時の日本の人口は3千万人台。今日の僧侶神官は24万人)。日本における民衆世界の在り方、絶えず変化を受け入れる精神が土着的な信仰を受け継がせた。民衆聖。2019/12/01

ミー子

9
前半は、多くの仏教者による悟り体験文を紹介。後半は、それら多くの体験記の共通点を抽出して分析し、また悟り体験への批判文も分析。主観的になりがちなこの分野を、客観的でバランスのとれた視点で論じている。著書自身は「悟った体験はないが、病理学者が病人である必要はないように、犯罪学者が犯罪者である必要はないように、悟り学者も悟り体験者である必要はないはず」という姿勢も良い。このような立ち位置からの本は初めて読んだし、興味深く有益な本で、色々知ることができた。他の仏教本で説かれていることの理解にも役立つと思う。2021/01/22

あしお

8
眉唾で読み始めたのだが、殊の外良い本だった。ただし、日本においても禅宗渡来以前に弘法大師の悟り体験もあるし、大日坊能仁のような人もいる。真理は釈尊誕生前から同じようにあるわけで、それはニュートンが生まれる前から世界には万有引力の法則が働いていたのと同じである。宗派が違えど、アウグストゥスもトマス・アクィナスもこの本にある「悟り体験」と同じような体験をしているわけだし、釈尊以前のバラモンも同様である。大切なのは、その体験をどう活かすかにあるし、体験しなくても「どう生きるべきか」こそ大事だろう。2020/03/23

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