内容説明
この絵は、イエスの生涯の「いつ」のこと?
『怖い絵』で人気の著者がキリストの生涯を描いた絵画43点をオールカラーで解説しつつ、その生涯を追う。読んで、見て楽しい一冊。
〈イエス・キリストのおおまかな生涯を知った上で西洋名画を楽しみたい――そう願う人のための、これは手引書を目指した〉。
ダ・ヴィンチ『最後の晩餐』やベラスケス『キリストの磔刑』をはじめ、レンブラント、ルーベンス、グレコなど43点をオールカラーで収録。
解説・末盛千枝子
※この電子書籍は2012年9月に大和書房より刊行された単行本を、文春文庫で刊行した文庫版を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青蓮
103
「イエス・キリストのおおまかな生涯を知った上で西洋絵画を楽しみたいーーそう願う人のための手引書を目指した」本書はとても解りやすく、ざっくりとですがキリストについて知ることができました。ここに収録されてる名画の数々も素晴らしく、絵に込められた意味を知る楽しさもありました。ただ、文庫なのでどうしても収録された図画のサイズが小さくなってしまうのが少し残念。後で大判の画集などで見てみようと思います。お気に入りの絵画は表紙にもなっているベラスケスの「キリストの磔刑」。静謐な美しさにうっとり。2017/01/16
けやき
66
中野京子さんによる名画解説本の新約聖書編。とても面白く拝読しました。「荒野のイエス・キリスト」と「キリストの磔刑」の絵が印象に残った!さて少し思ったこととしてイエス・キリストも最初はやる気だったのに途中で民衆のあまりのバカさ加減に投げやりになったのではなんて思ってしまいました…2017/11/20
hrmt
39
以前聖書を読んでみた事がある。キリスト教徒ではない私には理解できずよくわからなかった。更に申し訳なくも面白くなかったのだ。本書ではキリストの生涯を追って絵画で描かれた聖書の場面が添えられとてもわかりやすかった。絵によって表情や背景が具体的にイメージできとても豪華な絵本を読ませていただいた気分(^^)♪絵画には詳しくないけれど、宗教画は多くあってその美しいことぐらいは知っている。思えば初めてキリスト教と絵画の繋がりを認識したのは“フランダースの犬”でネロが観たかったルーベンスの絵画だったような気がするなぁ。2018/01/04
かおりんご
35
著者があとがきに記しているように、名画と読むことがポイントなので、聖書の記述通りの解釈かと言われると疑問が残りますが、名画を読み解きたいキリスト教初心者にはとっつきやすい話です。イスカリオテのユダの裏切りの場面は、完全に遠藤周作の影響を受けてかかれたんだろうな。ところどころ、うん?って思う解釈もありますが、絵も楽しめるのでいいかな。もっと絵の解釈があればよかったなとは思いますが。(赤い色は殉教を表すだけじゃなく)絵だけを純粋に楽しみたいなら、アートバイブルの方がおすすめ。2017/02/26
Nat
34
名画と共にイエス・キリストの生涯を辿っていきます。ユダはなぜイエスを裏切ったのかとか、イエスは自分の受難を受け入れ、全て神に任せる気持ちになったはずなのに、最後に「わが神、わが神、なんぞ我を見捨て給ひし」と絶叫したのはなぜなんだろう。などと色々考えてしまいました。また、ベラスケスの『キリストの磔刑』は、解説にも書かれているように最も美しいイエス像だと感じました。2020/01/31