内容説明
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本願寺の国宝「書院」を彩る植物画は、狩野派や円山派の絵師の懸絶した技法によって、他に類を見ないほど詳細に描かれており、その花や草木が当時の日本に確かに存在していたことの証左となっていると著者は語る。
その描写の正確さを頼りに、一つひとつの植物画について調査し明らかにした、待望の一冊。
感想・レビュー
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belle
3
京都は本願寺の国宝「書院」を訪れたのは過去2回。往復はがきで拝観申込みをした。もうだいぶ前のこと。本書はそこに描かれた植物を同定し、絵師たちの仕事ぶりに筆は及ぶ。木の花、草の花。馴染みのあるもの、珍しいもの。雀の間のひとつひとつ仕切られた格天井の花卉図は特に見事なものだ。豪華絢爛と写実の組合せ。各地の寺社を訪れて天井に花が描かれていると首が痛くなるのも構わず見入ってしまう。日々の散歩で見かけた花が描かれているかなと探すのも楽しかった。境内の植物も末尾に紹介がある。新年は久しぶりに大王松を生けてみよう。2020/12/19