内容説明
記号の運用方法である代数学と身近にある図形の研究である幾何学との結合帯が数学である。数学は、物理学や化学などの諸科学、それらにもとづく諸技術の根幹を担う。また対話や討論の前提となる「論理的・体系的な思考」も数学が培う。いったい数学とは何ものなのだろうか。数概念の始源から始め、ユークリッドの『原論』、パスカルの『幾何学的精神について』、デカルトの『方法序説』、確率論、数理統計、計画数学などを概観し、数学の歴史と思想、さらには私たちの文化の根本に迫った入門概説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hnzwd
20
数学の歴史を成立から現代まで。読みやすいのは大学生向けのテキストをもとにしてるからでしょうか。大学数学くらいの知識はあった方がすらすら読めるかな。20年前の本だけにコンピュータとか、AIあたりは予想を外してますが、、。無理。予測できたらすごすぎる。2020/10/25
やすお
11
大袈裟かもしれないが数学世界全体のエッセンスを一気に得た気になった。おそらく、数学の本質を述べている書なのだと思う。現代数学というものまで分かったような気になった(実際は門の前に立ったくらいだろうが)。それくらい読んでいい気分にさせてくれる。書いてあることは難しいのだけど、じっくり読めば理解できるくらい優しさがあふれる解説である。中学生か高校生くらいの時に読んでいれば、大学では数学科を選んだかもしれない。いや、そんな人は実際にいるだろうと思う。脳みそは使ったけれど、数学の美しさまで感じる楽しい読書だった。2020/06/19
masabi
8
【概要】数学史、分野の基礎を解説する。【感想】読了。2023/09/05
あんどうれおん
3
かつて挫折した数学をもう一度ちゃんと学んでみたいと願いつつ、何をどうしたら良いか見当もつかない人に最適な概論。底本が少し古いことには注意も必要ですが、本書を通じて得た理解や疑問は世界を少し広げてくれるかもしれないと思いました。2020/11/23
nori
2
現代までの数学の発展と文化への影響を、時系列でまとめた本。ほぼ歴史書。数字の勃興からはじまり、コンピューターまで述べている。数学の知識自体は、大学程度まであればスラスラ読める(イントロで説明があるので、知らなくても一応読める)。偉人の功績や文化への影響は知らなかったので、非常におもしろかった。30年前の書籍とは思えないくらい読みやすいのもポイント。2023/10/04