内容説明
「京都は深く、そして裏がある。それが書かれてしまった。」――磯田道史さん推薦!
旅行で巡るのとは大違い。元・文芸誌編集長が、暮らしてわかった「住まい」としての京都の姿
出版社を定年退職し、新たな生活を始めていた元「小説新潮」編集長のもとに、
京都の大学から教授の誘いが来た。こうして東京者の「京都生活」が始まる!
観光として訪ねる京都と、住む町としての京都は大違い。
地元では当たり前の「地蔵盆」の存在、
気まぐれすぎる気候、
ほんの少し歩くだけでも感じられる歴史の名残、
謎のスーパーと変わった品揃え、
独自に育まれた「京都中華」、
そして常に「よそさん」が来る町で暮らすことで育まれた京都人の気風……。
観光ガイド・ブックには載っていない京都の姿を綴る、文化エッセイ。
【目次】
はじめに
第一章 京都暮らしが始まった
第二章 洛中で暮らしてみたら
第三章 文芸編集者としての京都
第四章 住んでわかった「食」事情
第五章 観光ではわからない、必須「生活」情報
第六章 関西の「ハブ都市」、京都
第七章 「京都人になる」ということ
おわりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kei
65
う〜ん、率直というか、恥ずかしげもなく、というか。(笑)空前のインバウンドで激変する京都の真っ只中にいたからでしょう。確かに、東京や外国資本の流入などで、京都は激変しましたが。この違和感、で、ハタと気づきました。著者、全て領収書文化なんですね。自腹でちゃんと!になると、チェーン店でトホホ。ハレとケがあるのは理解しますが、よい大人がなんだかなぁ、で残念でした。もちろん、あの街は名前や立場で評価しますが、それを超えて、客を見定めます。実名のエピソードの数々には、なるほど、とそれはね、が混在。知らぬが仏、かな。2020/08/27
おいしゃん
28
京都に滞在しながら読了。半分部外者の「にわか」の視点から書かれているので面白い。数ページに一回は、著者自身の糖尿を患っている旨のくだりが挟まれるため、読んだ日に、夢にまで糖尿が出てきて困った。2021/05/05
そうたそ
23
★★★☆☆ 東京住みであった著者が、京都の大学で教鞭を執ることになったことから始まった京都暮らし。京都に全く馴染みのない地方から、京都という地に住むということはこういうことなのか、と面白く思わされる部分が多かった。京都人なら当たり前すぎて何とも思っていないようなことも、スパッと斬ってくれているのが新鮮。寺だ神社だということにはほぼ触れられておらず、生活空間としての京都という街について終始述べられているのが、数多ある京都本とは異なるところだろうか。あまり深く捉えずにサラッと読むべき本だと思う。2020/09/29
mitsu44
18
糖尿病持ち東京の出版社出身の筆者はひょんなことから京都勤務へ。5年間の京都暮らしを経て行った店や得た経験を記したのが本書。赤裸々にそのまま書いてて笑える。私も京都市内に住んで通算6年だがわかるところも知らないところもあって面白かった。2020/08/11
tetsubun1000mg
16
東京出身、在住の「小説新潮」元編集長が、定年後に京都の大学の教授として4年間暮らしたときに感じた「京都」と自分の生活を紹介している。 著者が<にわか京都人>と呼んでいるが旅行者では気が付かない京都の実態を伝える。 東京人の目なので、京都地元民の京都案内とは違って冷静に見ているように感じられた。 また、電車を使って1時間くらいで移動できる京都周辺の大阪、神戸、奈良、滋賀などについても案内して、京都と比較しているのも面白い。 64歳からの4年間の京都暮らしというのもこれからの人生で参考になるかもしれませんね。2020/09/03