内容説明
少年時代を独り野生児として育った「虎」が、畑を荒らして村人に捕まってしまう。処刑されそうになるところを四郎という少年に命を救われる。天草四郎と虎の出会いだった。そのころ、九州の島原と天草の切支丹に対する迫害は苛烈を極め、四郎の父親らを首謀者にして公儀への反抗が企てられつつあった。他方、老中・松平信綱は、三代将軍・家光の治世に不安を抱いていた。江戸に幕府が開かれて三十有余年、天下は徳川家の下に本当に治まっていると言えるのか。歯向かう大名家は無くとも、民草はまだ治まっていない。信綱の心の中に潜む闇が蠢く……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
のびすけ
17
天草四郎、野生児の「虎」、松平信綱、それぞれの視点で島原の乱へと進んでいく。一揆軍の旗頭に担ぎ上げられた四郎の戸惑いや苦悩が切なかった。島原の乱とはどういう乱で、天草四郎とはどんな人物だったのか。四郎の思い、幕府側の思惑、「虎」の戦い。興味深く読んだ。2026/04/28
Katsuto Yoshinaga
12
「俺は楽しかったぞ」「お前のおかげだ四郎」「前を向け四郎」「お前の目指す先に、俺が光を与えてやる」虎の言葉があまりにも眩し過ぎて、四郎はなにも言えなくなってしまった。ー これには私も痺れ過ぎてしまった。野生児と天草四郎が出会う設定とか、ときに感傷的に過ぎる筆致に、序盤はちょっとイヤな予感がした。しかし、解説の縄田一男氏が、勢いがあると評するとおり、力技で読まされ痺れさせられる。改行や心象描写が多く、もちろんアクション描写も多い。正統派時代小説ではないかもしれないが、これはこれで良い、素晴らしかった。2020/09/19
かずぺん
5
島原の乱の根本を知った気がする。でも苦しい現実である。2020/09/07
みゆき
5
読み終わる頃には、こちらの息があがってしまうような、疾走感のある一冊でした。ーーこれが島原の乱だ。ーー2020/07/08
コニタン
4
キリスト教について理解するつもりは無かった。元々宗教に興味はない。最初の数ページを本屋で立ち読みして止められなくなって購入しました。矢島隆初読み、傑作だよ!2020/06/07
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