内容説明
横須賀の拝み屋の家に伝わる〈箱〉。中に封印されているモノとは…?(「約束」より)
式神、妖かし、憑き物筋…この世に実在する異形の実話奇譚!
幽霊・人霊だけにとどまらぬこの世の異談――
式神、妖かし、憑き物筋など、にわかには信じがたいが実際に存在するモノ。
現実に起こった怪事件の数々。
それらを著者自らが取材し纏めた、異形の実話怪談集!!!
●横須賀の拝み屋の家に代々伝わる桐の小箱。その家は呪詛呪殺で繁栄してきたというが、箱の中には何が…「約束」
●結婚の話題になると彼の体内から出てくる鰻のような黒いモノ。それが彼女の胸に潜り込んできて…「黒蟠虫」
●家の中を歩き回る何者かの足音。魔物退治に験力があると言われる三峰神社を頼ると…「御眷属拝借」
●全部を読んだり語ったりすると必ず障りがある〈語らずの話〉。一部を怪談会で披露しようとすると…「カレーの中辛」
●とり憑かれたように蟻殺しを繰り返す美女。毒餌で殺した女王蟻の最期を見届けた日から恐ろしい事が…「ありおんな」
他、取材中の空気感も生々しい全28話収録!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
252
籠三蔵さんの初単著作品集は古風でやや専門的なマニアックさで取っつき難い面もありますが、でも確かな信頼感のおける作品群は一旦ハマると抜け出せない面白さがありますよ。『式神』Tさんが旧家の依頼で現場に赴くとペットらしい子猫を抱えた屋敷の奥様が直々に迎え出てくれ、何でもこちらの奥様は大の動物好きで犬や猫と一緒にいるのが大好きなのだが、どういう訳か当家でペットを迎え入れると、すぐ病気になったり居なくなったりして長く飼う事ができない。何度も似たような事が続きTさんの師匠に相談が持ち込まれ来た人全て駄目だったという。2022/04/09
yoshida
96
よくある実話怪談とは異なる怖さがある。所謂、人外の存在が体験として書かれる。物怪や式神。神社より協力な眷属を拝借する等。なかなか突飛ではある。しかし想像力を刺激され充分に怖い。とある短命な家系の話しでは、満洲にいた祖父へ繋がる。満洲で何が起きたのか。何かしらの呪術、タブーに触れたのだろう。どの怪談も、突き詰めれば人の悪感情による言えよう。この作品の「かまいたち」等もそうだ。最近はYouTubeで怪談や都市伝説、オカルトの配信をよく見るのだが、結論は人が怖い。無駄に人の悪感情を受けぬよう気を付けないとです。2021/08/08
★Masako★
74
★★★★実話怪談集は、何となく胡散臭さを感じてあまり読む気にならなかったが、こちらは読友さんのレビューで気になり読んでみた。幽霊、生霊の類だけでなく妖し、神仏、憑き物筋等、幅広い怪異を取り上げている。確かにどれも怖い。怖いけれど見知った場所や成程と思わせる話も多く面白い!特に妖ししか視えないという女性の話は興味深く、人の私利私欲の為に利用され続けた妖しの話「約束」に思わず涙が。文章は読み易くどこか冷静で好感が持てる。作者の体験談「杭の中」は、読み手にも何らかの影響がありそうでドキドキしながら読んだが…→2020/08/09
凛
60
作者本人の実体験も載っている実話怪談集。単に幽霊などの怪談話だけでなく、神仏にまつわる話や民俗学的なものもあって、なかなか興味深い。不純な動機で三峯神社を訪れた男性が御眷属様から拒絶された話にはこういうことってやっぱりあるんだと思うと同時に、神社仏閣巡りが趣味の私も気をつけようと思わされた。神様仏様って、やっぱりちゃんと見ているんだな。これを読んだら何か起こるかも…と思いながらも、最後の「杭の中」までしっかり読んでしまった。幸いにも今のところ何事もないけれど、本当に安心して大丈夫なのかなと少し不安も残る。2020/09/17
ポチ
57
実話はやはりダメだった。最後の「杭の中」は読めなかった>_<2020/07/04
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