竹書房怪談文庫 蝦夷忌譚 北怪導

著者名：服部義史【著】

竹書房（2020/04発売）

• ISBN：9784801922525

内容説明

札幌市手稲区のコンビニ前に伏す黒い影。跨ぐと火に纏わる凶事が…
北海道の住宅地・民家で現在進行形で起きている怪、
今もっとも身近で恐ろしい道内のご当地怪談!!

大ヒット前作「恐怖実話 北怪道」の続編がよりディープになって帰ってきた!
【札幌市手稲区】店の前に横たわる黒い影。跨いだその日から火の禍が…「手稲区のコンビニ」
【札幌市北区】床にできる謎の水溜まり。水漏れでもないそれは一体…「北区のアパート」
【苫小牧市】お得な家具付き中古住宅。いざ住むと調度品に不気味な変化が…「ある家の傀儡」
【夕張市】老女の住む家の納戸から出てきた日本人形。老女の身近な人が亡くなると不思議な事が…「花ちゃん」
【恵庭市】不審死の続出するアパート。一体何が起きて…「アパートの変化」
【稚内市】家族全員が異なる霊に遭遇している魔の家…「稚内の家」
【旭川市】神居古潭に向かって夜空に延びる光の帯。そこに人影が…「旭川の流星群」
【小樽市】吹雪の日の追突事故には視界不良以外の恐ろしい原因が…「小樽の吹雪」
【千歳市】老人が孤独死した部屋の上の階に住む男。気が付くと下の部屋が導かれ…「膜」
【伊達市】洗濯機の中に落ち武者の生首が。そのまま洗ったところ…「洗濯日和」
【函館市】教員住宅の部屋に出る黒い人影。天井に吸い込まれていくそれは…「スルスルキエル」
【八雲町】祖父の箪笥の抽斗で見つけた包み紙。詮索するなと言われたその恐ろしき中身は…「宝探し」

他、家族の中で死が連鎖していく恐怖「独り暮らしの訳」など、道内の民家・住宅地・生活圏内で起きた怪事件全36話を収録!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[夢追人００９]

北海道が舞台の怪談噺集で著者の２冊目ですね。今回は心霊スポットや怖い場所には特にこだわらずに、土地に暮らす人々の「人生のささやかなドラマ」が描かれておりまして、みんな苦労しながらも必死で生きているのですよね。怪奇色は少な目ながら愛する老猫と家族の別れが描かれた、しみじみと心に沁みる一編。『愛してるよ』恵庭市に在住の田代家では、アメリカンショートヘアーの辰、キジトラのミニ、黒猫のクロと３匹の猫を飼っていた。十九歳と大変高齢の辰は他の二匹からボスと一目置かれ一家の中でいい関係が築かれていた、そんなある日の夜。

2021/01/21

[chatnoir]

ご当地演歌なノリかなぁ。北海道で集めた実話怪談だけど、北海道だから起こった話ではないです。一部コロボックルも出てきましたが...小さいおじさんの一種なんだろうなぁ。道南もあったので、何処のオウチだろ～近くを通った事があったりしてと 別な楽しみもあった。ほっこりする話が沢山あった。地域性かな...ま、いいか...と怪異と共存する人も多い（笑）猫の話では乱文字があったなぁ。蹄鉄の話はハンナバーバラの小さい馬に賞金をかける話を思い出した。サラブレットが小さくなったらさぞ可愛いだろうになぁ。

2020/06/05

[澤水月]

前巻より文は整理され読みやすくなった、悪評高かったＡ別の…と言った無意味なイニシャルも皆無に。アイヌや炭鉱など土地ならでは…ではなく、旭川であった話、札幌の話など淡々と北海道内の普通の人々による怪談ぎっしり。胆振東部地震にまつわる話や可愛い有名なアレ逸話も。沖縄のユタやノロ、青森のイタコほか東北の拝み屋の話は聞くが北海道には独自のシャーマン文化はないのかな、とふと。寒すぎるしキタキツネは筒に入らないか…（平山夢明怪談に、腕複数人間が軍装の人々に追われる奇談あり違う方の恐怖

2020/05/03

[qoop]

北海道の怪談。それぞれの怪談の舞台をざっくりとした地図で示して地域性をアピールしてはいるが、本書で書かれる現象は色濃い地方色を感じさせるものではない。むしろ匿名性が高く、その土地を知らなくても十分楽しめる。例えばシチュエーションが明確な〈黒い化身〉などであっても場所と地域を限定された感はなく、より普遍性を帯びた怪異として読める。日常をじわりと浸食する不思議さを書いた話に好みのものが多く、大きな収穫の一冊。

2020/05/23

[奈良 楓]

北海道の怪談スポットの話かと思ったら、北海道に住んでいる人から聞いた怪談でした。悪くはない本ですが、少しがっかりしました。

2020/05/10