内容説明
人間としての正確な品性こそが、その人の土台となる――「臈(ろう)たけた」という古き良き表現から、日本ならではの品性を考察し、最後の朝鮮王朝皇太子妃・李方子、永六輔、小沢昭一、岸田今日子ら、品性ある人々との交流を振り返る。「デパートには行かない」「二日続けて同じ服は着ない」等、身だしなみのコツや日常の過ごし方、そして「恋」と「恋のようなもの」の大切さを説く。下重暁子の流儀のすべて。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
万葉語り
42
臈たけたひと。品性のある人。強くて優しくて自分に自信がある人は確かに魅力的。新しいことに挑戦し続ける人も素晴らしい。お洒落な人にはもちろん目を奪われる。でもなんか、私が思う品性がある人は、もう少し日常生活を大切に地に足をつけている人ではないかと思った。下重さんの理想が書かれた本だと思った。2020-1382020/07/26
えみ
25
この本を読み終え最初に思った事は、自分に自信を持つ。自分を信じられる人間であること。著者・下重さんのいう「品性」「臈たけたひと」は全てそれを前提としていると理解した。はっきりとした自分の意見を持ち、それを発言できる強さと勇気…嫌われても気にしない一匹狼気質。誰にでも出来る事ではない。自分にはないものだから凄いと思った。ただ、料理は女だけが作るものじゃないから男が作ってもありがとうを言わないって書いてあり…え!?男女問わず作った人にお礼、普通に言わない?って思った。品性云々の前に人として感謝はすべきでは?2020/06/11
k sato
17
筆者がNHKアナウンサーだったころの武勇伝や恋愛話をひきあいに、人間の品性を語る。学術的な考察はなし。筆者と私では、世代も身分も違うからだろうか。辛口に言うと、期待した本ではなかったし、心に刺さらなかった。古き良き昭和を懐かしみたい人にはおススメ。筆者は、品性のある人間を「﨟󠄀たけた人」とよぶ。例えば、八千草薫さん。見た目の美しさや気品だけでなく、教養やユーモア、色気など人生の奥行きも持ち合わせた人のことだ。わかる気もするけれど、もっと庶民的で現代的な人に、アフターコロナの品性を語ってほしいな。2023/03/22
frosty
4
スッと読めて、且つスッと背筋が伸びるような、そんな内容だった。自身の思考を何度も練ること、私はその作業(?)が好きだけれど、まだまだ、穴だらけだな、と気持ちが引き締まる気がした。2020/10/11
乱読家 護る会支持!
4
『いまでは、ほとんど使わなくなった「﨟(ろう)たけたひと」という言葉。洗練されて上品な人。積み重ねた人生が滲み出るような奥深い雰囲気を持った人。おもに女性に対して用いる。かつて女性が社会の規範にしばられて自由に生きれなかった頃に、﨟たけた女性が多く存在した』 おばあちゃんが、若い頃を思い出し、昔の女はこうだったのよ、昔の男はこうだったのよ、、、と語るエッセイ集。 アラカンの僕の母親ぐらいのお歳の著者なので、、、 あーそーなんだぁ〜という感じです。 以上(笑) 2020/07/21