中公文庫<br> ペスト

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中公文庫
ペスト

  • ISBN:9784122051843

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内容説明

1665年、ロンドンが悪疫(ペスト)に襲われた。
逃れえない死の恐怖に翻弄された人々は、死臭たちこめる街で、神に祈りを捧げ、生きのびる術を模索した。

事実の圧倒的な迫力に作者自身が引きこまれつつ書き上げた本篇の凄まじさは、読む者を慄然とせしめ、最後の淡々とした喜びの描写が深い感動を呼ぶ。
極限状況下におかれた人間たちを描き、カミュの『ペスト』よりも現代的と評される傑作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

楽駿

32
品川図書館本。読書会仲間のお勧めで、こちらの「ペスト」も手に取ってみた。年代的にカミュの時代より新しいので、まず読み易い。そして、記録小説かフィクションかと迷う作品でした。ロンドンでペストの流行った時期に、デフォーは5歳。叔父の話と記録を中心に物語を組み立てている。ペストの流行と共に、何が起き、人々はどんな行動をしたのか、そして政策はどんなものであり、効果はあったのか。コロナ禍の今、比較対象しても非常に有意義な1冊だった。底辺の人を支える政策とたくさんの寄付が、大きく日本とは違う。宗教意識の低い事も関係?2021/01/22

はやしま

31
コロナ禍の今、同じ疫病下にある世界を体験するように読了。章立てがなく改行も殆どない。現代でいえばネットにアップされた日々の出来事がまとめられたものを読むような印象。原題に"Journal ..."とあるように、架空の人物を設定しつつも内容は詳細なルポルタージュ。日に日に増加する死亡週報の数字が昨年から毎日報道で見る患者数のよう。原因などが解明されずワクチンもない中、日々恐怖に怯える人々がの行動が実際に見たもの、伝聞あわせて記録されていく。イカサマ香具師等、ロンドンから逃げ出す人々、死を前に我を失う人々。→2021/06/28

mayumi

31
9月の「100分de名著」課題作品。「ロビンソン・クルーソー」のダニエル・デフォー著。カミュの「ペスト」は人間ドラマだったが、デフォー版は記録的でリアル。書かれたのも1722年と、カミュより200年近く前に書かれたもの。しかし、カミュよりもデフォーの書いた「ペスト」の方が現在のコロナ禍に状況が似ており、何百年経っても人は変わらないと思わせる。難点を言えば、小説というより、ペストの記録のようで、読んでいてやや退屈。あと、時代が時代なだけに、宗教色が濃い。ただ、ラストの一行は「明けない夜はない」と強く感じた。2020/08/27

ジョニジョニ

27
ロンドンだけで10万人がペストで死んだという1665年。その一年間の新聞記事を読んでいるような、リアルなヴォリュームでした。そんな狭い範囲で一日千人も死ぬ日があったりして、そりゃ埋葬も大穴に投げ込むような有様になるだろう。今読んでも科学的に感じる考察が多く、読み継がれる意義のある名作です。ただ、カミュはこの作中の語り部が、生き延びたことを「神に感謝する」ということに違和感を感じたのかな、と思いました。病死した人を、皆罪人だといっているかのようにも、とれますからね。2020/08/15

KJ

26
災厄は否応無く人間を炙り出す。自暴自棄になり奇行や悪事に走る者。自分を見失わずに律する事の出来る者。恐怖が歪める人間性。自身が望まずとも他者を悪意の眼差しで捉え互いに傷付け合う事は痛ましい。非情な政策も課される側の苦しみを課す側が理解し誠意ある態度として示される事で救われる。人々に寄り添う当局者の姿勢は惨禍の中の希望にも思えた。圧倒的な事実は高尚な表現を凌ぐ説得力を持つ。当時何が成功し何処に問題があったのか。詳細且つ明解な文章からは過去の教訓を何とか未来に活かして欲しいという著者の誠意と熱意が感じられた。2020/06/16

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