内容説明
池田屋に踏み込むも、なぜか敵を斬ろうとしない新選組隊長・近藤勇。その胸中にあった切実な願望とは――。(「戦いを避ける」) 新選組について語られる史実の隙間を覗けば、隊士らの心理や葛藤がにじみ出る。近藤・土方らの意外な一面や、馬術師範・安富才助、密偵・村山謙吉、文吏・尾形俊太郎らにも光を当て、歴史小説の名手が、鮮烈にして新しい新選組像を描き出す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
158
門井慶喜は、新作中心に読んでいる作家です。最近文庫化された未読の本作を、図書館の新刊コーナーで見つけて読みました。司馬遼太郎の『新選組血風録』のオマージュ的連作短編集でした。オススメは、土方歳三のイメージが変わる『よわむし歳三』と絶対陽の目を見ない『新選組の事務官』です。2018/06/06
とし
106
新選組颯爽録。ちょっと見方を変えた、おなじみ近藤勇、土方歳三、沖田総司の違った一面や馬術師範・安富才助、密偵・村山謙吉、文吏・尾形俊太郎を主人公とした颯爽録、態度や行動がきりっとして良かったっですね。2019/04/14
おかむー
64
タイトルからして解説でも触れているように、司馬遼太郎『新選組血風録』へのオマージュ的作品であるようだが、『血風録』読んでないのよ俺(´・ω・`)。『よくできました』。言わずと知れた新選組の隊士を主人公とした七篇の短編集は、近藤、土方、沖田、芹沢といったビッグネームの合間に馬術師範、密偵、文吏といった歴史的には目立たない隊士も取り上げる。実際のところタイトルほどの“颯爽”感はなくそれぞれの劣等感や迷い、鬱屈といった部分が大きいが、その割に読後感は悪くないあたりにそこはかとない爽やかさは感じられるか。2019/03/31
えんちゃん
59
なんて爽やかーなんて爽やかー。とはいえ、もちろん血なまぐさい。幕末だもの。全然爽やかじゃない、むしろ残酷な幕末志士の激動を、新選組に惚れ込んだ著者が、愛を込め『颯爽』と描いた新選組の記録。特に最終章、ざんこく総司が良かった。川のこちら側にいる山南敬助と沖田総司。ざんこくの意味に泣く。著者の解説も適宜入り、読みやすかった。2021/10/06
こばまり
58
独特の視点や設定を大いに楽しんだ。颯爽の名の通り、心に一陣の風が吹く。観察眼に優れた読友様の「全て司馬フィルターを通して描かれ読まれる龍馬、新選組像」に共感。この作品集も「新選組血風録」なかりせばと思う。2018/05/23
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