内容説明
――家族に囲まれた幸せな日常に落ちた影。柴田澪は、夫の昌彦、娘の雪那と義母と暮らしている。小学1年の娘の笑顔は胸がしめつけられるほどかわいい。ある日、友人の見舞いに行った病院で、一時として忘れたことのなかった父の名前を聞いてしまう。「今の生活を守らなければ!」。余命に限りのある父親との再会が、あてのない逃避行の始まりだった――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
相田うえお
115
★★★★☆20015 「わぉー!」読み出しから暗色に覆われた危ない空気感! 一歩間違ってバランスを崩したら大変な事が起きそうな。常に生臭い風が吹いていて、気がつけば当方、身をひそめて読んでたかもです。好みのテーマではないのですが、怪しい先行きが気になってページを捲る手が止まりません。本作品、疫病神の様な父親から逃れ、家庭と子供を持って細やかな幸せを掴んだ女性が主人公。ある日、その父親とばったり出くわしてしまった彼女は家族に火の粉が降りかからない様にと姿を消してしまいます。いや〜、後半、こうなるとは予想外!2020/02/12
machi☺︎︎゛
110
永井するみさんの最後の長編。澪は幼少期、あまり家族に恵まれず寂しい思いをしたけれど今は結婚もして可愛い娘も産まれ、優しい義母がいて幸せに暮らしていた。友人のお見舞いで行った病院であの名前を聞くまでは。幼少期に植え付けられた残酷な記憶に翻弄され澪は、今の生活から逃げ出してしまう。愛娘を置いて逃げなければならないほどの事なのか疑問に思ったけれど、澪にとっての記憶はそれほどに辛いものだった2022/06/28
kei302
49
あっという間に日常生活から逸脱してしまうのが怖かった。“あの男”との再会、祖母による刷り込み。澪は、誰から 何から「逃げる」のか?途中からは何となく真実が見えてくるが、詳細な心理描写でぐいぐい読ませる。2020/04/29
蒼
26
「あの男に会ったら殺しなさい」澪の半生を決定付けた祖母のこの言葉が苦しい。男は良かれと思い全てを自分一人の胸におさめたのだろうが、その為に澪は母として妻として嫁として苦しみ続けそして逃げるしか無くなった。澪の夫もその母も澪の味方になってくれる人でよかった。そして間に合ってよかった。2023/10/27
ぴんく
9
うわー逃げるのはそっちからあっちの方へ、だったのかよ!これはそういう環境で生まれ育ったがゆえ?わたしには全く理解できない。むしろ我が娘をあんな風にほうっておけるのが理解に苦しみ。それを追っかける方も針の穴に糸を通すミラクルの連続じゃん(笑)まあ、小説なので。ただ、ラストの章で大きく動いたね。いろいろありながらも、最後は大団円の家族小説かな。終わり良ければ、ということにしよう。おそらく初読みの著者なので、ほかも読んでみたい2022/08/30
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