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内容説明
ダイヤモンド・プリンセス号の感染対策の告発で注目の感染症医・岩田健太郎による渾身の一冊。日本で子供のいじめが減らない理由は、大人の社会がいじめ体質だからだ。自らもコミュ障でいじめられっ子だったという著者が、日本社会の同調圧力を打ち破る方法を提案。大事なのは空気ではなく科学。ファクトを無視したフェイクな社会において人々が健康を損ない苦しむことになる。厚労省の体質や、クルーズ船での告発に関する追記も。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばんだねいっぺい
47
「こどものいじめがなくならないのは、おとなのいじめがなくらならないからだ」。この認識が広まることをつとに願う。魔物のような「日本の空気」が「叩いていい人探しゲーム」を助長するのはやめて、エネルギーを建設的な方向へ使いたい。売れてほしい本だ。2020/04/16
こも 旧柏バカ一代
38
日本の学校のいじめは無くならない。大人の社会にいじめが蔓延し、それを隠蔽する体質があるのだから当たり前だそうな。 寛容には寛容を不寛容には不寛容って言葉が刺さった。2020/04/24
人間
13
是非道徳の教科書に採用してもらいたい。「間違っていたから排除する」のは異論を認めない同調圧力。国際社会では問題解決は議論による合意で行うという。「観念論ではなく、事実をベースに考えること」「相手が謝罪や反省をしたらそれ以上反撃しない」「(医療事故に準えて)懲罰ではなく、事実を調査し情報公開する」etc。医療事故もいじめは起こるものである。ゼロにするなどという、願望を掲げ懲罰を与えてしまうと、隠蔽体質になる。岩田氏は多くの海外の現場を見た経験からか視野が広いく、被いじめ経験者でもあり誠実さが伝わる。2020/05/06
ponnnakano
12
『「はじめに」の前に』の段階で、早くもグサッと刺さる。「大人の社会がいじめ社会だから、子供社会でいじめがなくなるわけがないのだ。」子供のいじめの話と思っていたが、そこに止まらない日本社会の構造の話だった。願望より事実を。空気ではなく科学を。自分を変えることは(やってはみるけど)困難な気もするが、若い人はもうそうなっているはずなので、邪魔はしないようにしたい。あとがきで「いじめてもいい理由の存在を認めている限り、日本からいじめは絶対になくならない。」は全くその通りで、肝に銘じたい。そんな理由はひとつもない。2020/07/01
oooともろー
9
感情論や理想論では解決できないいじめ。道徳教育も効果なし。解決するために必要なことは事実。不寛容には不寛容で対応すべし。2023/09/05