内容説明
現代の碩学が自由に綴る含蓄深いエッセイ集。偉大な学者であり、芸術にも造詣深い著者が、古典について、自分自身の意識の生いたちについて、現代社会の状況について、思うままに語り提言する。――〈人間が忙しく走りまわる文明を、高度の文明だとは思いません〉〈対立するということではなくて、相待つということを、もういっぺん考えなければならぬ〉……人類と社会への熱っぽい提言、また古典への深い思い、生き甲斐論、創造的生き方のすすめ、など、現代を代表する知性による、現代人必読の、含蓄深いエッセイ集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
7
自己発見とは失敗とその限界から折り返すようにして自己を見出すことである。1970年代の晩年のエッセイを集めた本書は3部構成から成る。著者はまず失敗と停滞を糧に進む科学からできた自己を庭として見渡す(「庭の構図」)。そして中国古典の壮・老年期の成熟した言葉でその外を語る(「私の中の古典」)。最後に、科学的発展を謳歌する日本の戦後社会を青年期的な姿として老年の自身の身から距離を置き、その未来の限界を見据える(「離見の見」)。ソルベー会議やオールドストーン会議での世界の核物理学者との交流を背景に読むと感慨深い。2022/03/18
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