文春e-book<br> 贖罪 ナチス副総統ルドルフ・ヘスの戦争

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文春e-book
贖罪 ナチス副総統ルドルフ・ヘスの戦争

  • 著者名:吉田喜重【著】
  • 価格 ¥3,000(本体¥2,728)
  • 文藝春秋(2020/04発売)
  • ポイント 27pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784163910994

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内容説明

構想20年、同じ時代に行きあわせた証しとして書き上げた、吉田喜重監督(『エロス+虐殺』『鏡の女たち』)渾身の長編小説!

ドイツの闇の歴史に切り込む――。
ナチス副総統、ルドルフ・ヘス。「わたし」という主語がない奇妙な手記を通して、謎に満ちたヘスの生き様を掘り尽す。

ナチス・ドイツによる絶滅戦争=ソ連侵攻を控えた1941年5月10日、ヒトラーの代理人といわれたヘスは
単身メッサーシュミットを操り、スコットランドをめざしてミュンヘンを飛び立った。イギリスとの講和工作のために。
しかし、それを知ったヒトラーは激怒し、チャーチルはとりあわなかった。世界は破滅へ向かって動きはじめる……。

ヘスの罪と罰を辿る、大作歴史小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

NAO

76
同時代に生きた者としてルドルフ・ヘスに興味を持った語り手が手に入れた(?)ヘスの手記。そこから浮かび上がるヘスの人物像とは?ヒトラーのすぐ近くにいたヘスが、どうして単身イギリスに向かったのか。作者は、ヘスが師事し親しく交際していたカール・ハウスフォーファ教授の妻がユダヤ人であったことに重きを置いているようだ。だが、ヘスはユダヤ人嫌いだったという説もある。ヘスは、狂信的な熱狂に身を委ねるにはあまりにも学者肌でありすぎ、国際人でありすぎたのかもしれない。⇒2020/11/28

hasegawa noboru

6
元映画監督吉田喜重が70年以上前の戦争体験とともに、ルドルフ・ヘスなる人物の名の記憶をよみがえらせる。〈第二次世界大戦を引き起こしたナチスの歴史を、内部より告発した貴重なドキュメント〉としてヘスの手記を仮構したということだろう。〈貧困化した現代の大衆の内部に渦巻く憎悪、怨念(ルサンチマン)こそ、新たなる国家誕生のエネルギーであると説く〉ヒトラー『わが闘争』の口述をタイプライターで打ち出した男ヘス。狂気の独裁者がなぜドイツ国民の圧倒的支持を得るに至ったか。丹念にたどり直していてドキュメントとして貴重な小説。2020/06/17

くらーく

5
読みにくい。だけど、引き込まれる。読了後には考えさせられる。なかなか、このところ読んだことが無いような本だったなあ。作者が映画監督だからかしら? 一応小説だけど、ドキュメントのようでもあり、著者の回想のようであり、ヘスの心情のようでもあり。もう、ぐちゃぐちゃなんだけど、なぜか引き込まれるのだなあ。歴史にifは無いのだけど、もしも、ハミルトン公が本物だったら、イギリス政府がまじめに検討したら。。。今の世界は無かっただろうに。 それにしても、ソ連と言う国は、どうしても分かり合えないな。感情が優先、合理が無い。2022/04/16

GOTI

4
☆☆☆著名な映画監督がルドルフ・ヘスの生涯を描く長編小説。「著者がなぜこれを記すに至ったか」「ヘスがヒトラーと出会い、ナチスの副総統へ。そしてイギリスとの単独講和を図るまでを記す手記」「ヘスの地政学上の恩師の子息の遺書」「ヘスの遺言」4編で構成されている。小説というよりはルポあるいはドキュメント・ノベル。ナチス・ドイツによるソ連侵攻を控えた1941年5月10日、副総統ヘスは単身メッサーシュミットを操り、イギリスとの講和工作のためにイギリスへ飛ぶ。ヒトラーは激怒し、チャーチルはとりあわなかった。2020/08/08

土偶

2
地政学的関心事、ドイツ系住民の保護なる名目で領土拡張をしていた1930年代…最近どこかで聞いたセリフだ。 2022/07/25

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