内容説明
老若男女に読み継がれる、不朽の名作。
生前の罪により輪廻のサイクルから外されたぼくの魂が天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。自殺を図った少年、真の体にホームステイし、自分の罪を思い出さなければならないのだ。
真として過ごすうち、ぼくは人の欠点や美点が見えてくるようになる……。
実写映画、アニメにもなった、累計100万部突破の青春小説!
解説・阿川佐和子
※この電子書籍は1997年7月に理論社より刊行された単行本を、文春文庫より文庫化したものを底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
1968
現時点で登録総数16,620、読友のレビュー数99と圧倒的に多くの支持を得ている本書。小説としてのクライマックスは「ぼく」の犯した罪(すなわちぼくの正体)が明らかになった、まさに時にあるだろう。ただし、大半の読者には、この結末は予想されていたはずだ。だとすれば、やはりそうだったのだという安堵感に共鳴するのだろうか。作者の価値観が、家族には厳しいのに比して読者(中学生くらい。実際にはもっと多様だが)に迎合的なのは気になるところ。もっとも、価値を押し付けないところにこそ読者は安心し、共感するのかもしれないが。2015/06/08
しんごろ
1414
天使業界の抽選にあたり、中学生の体をかりて、生き返るチャンスをもらうという話!いい話ですね。読みやすいし、いろんな年代に受けいれられる作品だと思います。いろんな悪いところ、コンプレックスとどうつきあうか、良いところ、あるいは人の優しさをどう感じるか、そんな道徳的なことを考える作品だったかな。それと、なんだかんだ家族はいいよねとも思える作品ですね(^^;)天使のプラプラがとぼけた感じで好きなキャラでした(^^)とりあえずホームステイする感じで気楽に人生を楽しみます!まあ、俺は常に思い残すことないけど…(笑)2016/10/02
馨
1345
ベストセラーなので読んでみました。非常に読みやすくストーリーもわかりやすい、学生さんが読むと共感することもありそう、と思いました。大人になってから読むと、主人公の前世が誰であったのかという謎は途中で簡単に判明してしまいます(笑)。多感で繊細な年代の、受験に友情に恋に家庭に忙しい毎日を過ごす若い子たちがこの作品のように一歩前に踏み出す勇気を持って生きてほしいなと思いました。2018/02/12
のっち♬
1290
中学生の自殺など子供たちの屈折した気分という重いテーマだが、主人公のリアルな心情をユーモラスな語り口と展開で綴っている。「この世があまりにもカラフルだから、ぼくらはいつも迷ってる」もう遅すぎることや、取り返しのつかないことで溢れるこの世に彼は疲弊する。しかし、少しずつ色合いを変えてゆく周りのイメージ、「真。やっぱりおまえ、早まったよ。すべてが遅すぎるわけじゃない」人はみんな傷もので、意外なところで誰かを救ったり苦しめたりしている。目の眩む極彩色の渦の中、時には他人事気分で気楽にこのホームステイを楽しもう。2020/02/19
Willie the Wildcat
1129
相手を思うが故に控える一歩が繋がる誤解、先入観、そして不信。5W1H、TPOなどの方法論ではなく心。時に痛みや悲しみを伴う真実を知ることも成長の糧であり、必要性次第。但し、真実を伝える側の判断は複雑。殊に、信頼しているが故、あるいは「まだ知るには早い(年齢?時機?)」故など、子供を持つ親として考えさせられる。真の涙・・・、取り返しのつかないことってないよ!赦しと感謝が家族との、親友との繋がりの証。1人1人の発する”信号”への気づきがキモ。満、言葉にするだけが全てじゃない。良い兄ちゃんだよ! 2015/10/20