中公新書<br> 桂太郎 外に帝国主義、内に立憲主義

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中公新書
桂太郎 外に帝国主義、内に立憲主義

  • 著者名:千葉功【著】
  • 価格 ¥902(本体¥820)
  • 中央公論新社(2020/04発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784121021625

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内容説明

日本最長の八年に及ぶ首相在任期間を誇った桂太郎。三度の政権下、日露戦争、韓国併合と、外には帝国主義政策を断行、内には伊藤博文らの次世代として、最後には政党結成に動く。山県有朋の“傀儡”と、低く評価されてきた桂だが、軍人出身ながら、軍の予算を抑制、国家全体の利益を最優先し、緊縮財政を追求し続ける。時代の制約の中、「ニコポン」と呼ばれた調整型政治家が求めたものは何か――。その全貌を描く。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぴー

55
桂太郎が良く分かる本。桂園時代、山縣系の軍人など断片的な知識がなかった自分に、新しい印象を与えてくれた。自分が抱いていた人物とは全く異なっていた。意外だったのは、軍人出身の桂が財政や政党を重要視していたことだった。また、山縣の言いなりというイメージを持っていたが、案外違うということも新鮮だった。むしろ山縣から独立したり、元老にも意見を述べ、軍部大臣現役武官制を改正しようとしたことにびっくり。日露戦争後の外交面もこなしていたと思う。軍人家というより、財政家、政治家という言葉が彼にぴったりだと思いました。2025/02/16

mitei

52
総理大臣が年ごとに変わるようになったなか史上最長の内閣総理大臣在任歴を誇る桂太郎に焦点を当てた一冊。結構戦前の重要な時に要職についていた人なのに何故教科書でもあまり取り上げられないのか不思議だ。2012/07/18

Tadashi_N

37
現代日本に大局を見る政治家がいないことを感じた。日本人に政党政治は難しいのか?2018/01/07

Tomoichi

30
安倍元総理に抜かれるまで総理大臣在任日数1位だった桂太郎。日露戦争時や韓国併合時の総理大臣で元老でもあったのに今となっては影が薄い桂。しかし元勲の時代と政党政治の時代をつなぐ桂園時代を担った彼を無視して明治・大正は語れない。そういう意味で貴重な一冊だが、巻頭で日露戦争を帝国主義戦争と定義しているので、そういう著者ということは理解して読む必要はあります。2023/12/02

skunk_c

20
日露戦争時の宰相であり、また大正政変の劇的な総辞職で知られる政治家の評伝。長州閥第2世代で、日清戦争では中堅将校、そして山県有朋の庇護の元に政治家として成長した桂は、桂園時代に代表されるように、立憲政友会に対抗して藩閥政治を貫いたようなイメージがある。しかし著者によれば、桂の見所はその財政政策にあったという。自ら大蔵大臣を兼務して緊縮財政に臨む姿勢は、桂亡き後は浜口雄幸まで待たれるとか。一方政党政治をある意味容認し、立憲同志会設立まで行くが、その組織原理を軍隊と同一視したことが誤算とも言う。面白い見方だ。2016/10/22

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