内容説明
五代将軍綱吉の治世――
出世ルートから外れた、大老の嫡男が再起に挑む。
四代将軍徳川家綱の大老・酒井忠清の嫡男、忠挙。将来を約束されたはずの彼の人生は、父の失脚で、突如暗転する。
家格の降格、親族の不祥事、期待した嫡男の早世……。度重なる苦難に抗い、家の存続に奔走、時に喜び、時に悩みながらも、生涯忠勤に励んだ、ある御曹司の等身大の実像に迫る。
幕府吏僚として生きる大名の実像と生存政略!
解説・山内昌之
※この電子書籍は、2009年6月に角川叢書より刊行された単行本の増補版として文春学藝ライブラリーから刊行されたものを底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
MUNEKAZ
14
忠清の人物叢書を呼んだので、次は息子の忠挙へ。親父の失脚でエリートコースから外れ、何とか陽の当たるところに戻ろうと奮闘する姿が描かれる。今を時めく柳沢吉保とのコネ作りに励んだり、やっとお役目をもらえたと思ったら閑職でモヤモヤしたりと、名門譜代大名の等身大な姿は面白い。また外様の国持大名並みの家格に上昇するのではなく、低くても良いから幕府の役職に就くことを望むというあたりに三河以来の「譜代」としての矜持も感じる。こういう譜代大名たちの心性が、幕府の安定を下支えしていたんでしょうかね。2026/03/22
nagoyan
10
優。「下馬将軍」酒井忠清の息子忠挙から見る江戸幕府と大名たちの生態。忠挙は、若くして、幕府有数の名門の子弟として江戸殿中にデビューする。が、父忠清の失脚に伴い不遇を託つことになる。しかし、柳沢吉保と姻戚関係を結び、自身が幕政に直接預かる機会は少なかったものの、酒井雅樂頭家、酒井一門のために陰に日向に活躍する。吉宗時代には将軍に直接意見を伝えることができるような立場となった。酒井家の遠祖は徳川家と繋がる名門であるが、三河譜代として忠挙はひたすら「かけ走りの御奉公」に誇りをもっていた。著者の愛情溢れる評伝。2020/06/11
穀雨
6
酒井忠挙は「下馬将軍」の異名を取った大老・酒井忠清の子。その御曹司として、さぞ順風満帆の生涯だったのだろうとイメージしがちだが、そうでもないというのが本書の主張で、つくづく人の世はわからないと思ってしまった。忠挙を取り巻く姻戚関係が複雑で、系図類は充実していたものの、なお足りないところを自分でメモしながら読んだ。2024/05/17
アメヲトコ
6
大老・酒井忠清の嫡子として生まれるも、越後騒動の影響で政治の表舞台から遠ざけられ、雌伏を余儀なくされながらも名門のプライドを保って綱吉から吉宗までの時代を生き抜いた酒井忠挙の評伝。プライドが高く真面目なあまり、ライバルの悪口を関係の深い柳沢吉保に手紙で吹き込みまくったりするのはやや引きますが、これも人間らしさか。著者の思い入れが伝わってくる一冊です。2020/12/23
若黎
1
大老酒井忠清家のその後のことは気にかけたことはなかったが。。。こうやって読んでみると、譜代大名といえど、あちこち根回し、気配り、手続きの確認など、現代とやってることは変わらないんだなあ、と思う。2020/04/19
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