文春文庫<br> 注文の多い料理小説集

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文春文庫
注文の多い料理小説集

  • ISBN:9784167914813

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内容説明

小説の名手たちが「料理」をテーマに紡いだ
とびきり美味しいアンソロジー。

うまいものは、本気で作ってあるものだよ――
最高級の鮨&ワイン、鮪の山かけと蕗の薹の味噌汁、カリッカリに焼いたベーコンにロシア風ピクルス……
おやつに金平糖はいかがですか?
物語の扉をそっと開ければ、今まで味わった事のない世界が広がります。

「エルゴと不倫鮨」柚木麻子
「夏も近づく」伊吹有喜
「好好軒の犬」井上荒野
「色にいでにけり」坂井希久子
「味のわからない男」中村航
「福神漬」深緑野分
「どっしりふわふわ」柴田よしき

【本書登場の逸品たち】
塩むすびと冷たい緑茶
ハルピンのイチゴ水
全粒粉のカンパーニュに具を挟んだサンドイッチ
きときとの富山の海の幸・ゲンゲ汁
生クリームと栗の甘煮のパンとアイスコーヒー
食堂のカレーライスと福神漬
星屑のような白い金平糖

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

三代目 びあだいまおう

440
料理を共通テーマに7名の小説家達が競演!贅沢極まりない!競演というより、其々の感性と筆力を全力で競い合うかのごときシナジー!全作品が『私が一番でしょ』と訴えてくる!1話目で太っちょ母さんに手が痺れる程拍手喝采を上げ、2話で焼き筍にお腹鳴らされ、4話で江戸に飛び一緒にガッツポーズ!最終話はもうね、何も言えねぇ!で最終頁···エェッ?何が幸せって未読の作家の力作が同時に楽しめること!余程の読書家でも全員既読って中々ないでしょう。読者に向けて魂込めた有名作家のプレゼン合戦!腹はち切れるまで存分にご賞味を‼️🙇2020/06/04

346
食に関する7人の作家による短編集。柚木麻子さんの『エルゴと不倫鮨』が1番好きでした。リッチなお鮨屋さんで豪快にわがまま放題食べ、最後に不倫男たちざまあみろとなる展開はスカッとしました。柴田よしきさんの『どっしりふわふわ』パン好きなのでどっしり系もふわふわ系も美味しそうでした。確かに世界のパンはふわふわ系が少ないと思います。小説で字面だからこそ実現できる裏切り展開もあり良かったです。2022/04/26

bunmei

306
美味しそうな料理をテーマに、思わず唾を飲み込んでしまうアンソロジー。美食にはそれほど興味はありませんが、料理は単に空腹を満たすための食べ物ではなく、料理する人やその生産者、そして料理を食べる人の思い等、その時々の心情や愛情までもが味付けられていることに、気づかされます。特に柚木作品は、上品なイタリアン料理の匂いまでも漂ってきそうな筆致に、ガラッパチな育児ママが料理人や客をも巻き込んで翻弄していくシーンは柚木ワールド全開。その他の料理も、ちょっぴり切なく、温かな気持ちになる、素敵なコース料理の数々です。 2020/07/07

mae.dat

287
7名の作家さんに依る、正に『注文の多い料理小説集』ですよ。これは。今更な話ですが、食事、料理シーンと小説の相性は抜群ですね。食への拘りがあると、その人物の個性、内面が浮かび上がり、引き立ちます。どの話も独特の違う味付けで好い感じ( ¨̮ )。『エルゴと不倫鮨』は1番注文が多いにピッタリかも( ¨̮ )。中年男の下心を一方的に嘲笑われた様で、ぐぬぬってなるけど。悪い事して無いのに。『夏も近づく』は導入がやや強引ですが、ラストの科白が佳き哉。『どっしりふわふわ』は、ほっこりとびっくりが同時に襲って来たよね。2023/06/29

モルク

206
料理をテーマとした7人の作家さんによるアンソロジー。食は腹を満たすばかりではなく、コミュニケーションをはかり人との距離を縮める。食の趣味の合う人との会話は弾みまた食事を共にしたくなる。どの作品もその作家さんらしさが表れている。中でも伊吹有喜さんの「夏も近づく」がすき。田舎の祖母、母を看とり古い家屋に住む40才の拓実は、都会に住む兄の息子中2の葉月を引き取る。叔父と甥が素朴ではあるが素材を生かした料理で近づいていく。兄夫婦にイライラしながらも、土鍋ご飯、燻製ベーコンの魅力にはまる。2021/07/20

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