内容説明
司馬遼太郎による国民的ベストセラー、映像化に合わせて待望の新装版刊行。
俺は今日から武士になる――。
佐幕派と倒幕派が対立する幕末の激動期。
武州多摩のバラガキだった土方歳三は、近藤勇、沖田総司らとともに、
幕府徴募の浪士組にまじって、京へ向かう。
京都守護職御預の名のもと、「新選組」を結成。
副長・土方は厳しい局中法度を定め、類のない苛烈な軍事集団を創り上げ、
池田屋事件などで、世にその名を轟かせていく――。
しかし、薩長同盟成立で、時流は一気に倒幕へ。
土方は最後まで激しく抵抗、夢と信念を貫き、江戸、会津、箱館へ向かう。
稀代の男の生涯を巧みな物語展開で描いた、傑作長編。
〈名著が一冊で読める、大変お得な決定版!〉
司馬さんによる「あとがき」、原田眞人監督による特別寄稿「そびえ立つ歴史的遺産『燃えよ剣』を映画化して」を収録。
※本書は、一九九八年九月に刊行されたノベルス判の新装版です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
旅するランナー
235
生まれながらの喧嘩屋、天才的突撃隊長、新選組副長土方歳三。侍の矜恃、戦士の勝負度胸、男の美学...男臭く、血生臭く、泥臭く、そして颯爽と土方を描ている。当然近藤・沖田ら周りの男たちも魅力的だ。司馬先生による、増田明美ばりの細かすぎる解説が小説に奥行きを与えている。お雪との男女関係も、二人が見た夕陽のように心震わせるものがある。映画公開が延期になり、待ちきれずに原作を読んでしまった。原田眞人監督による巻末の言葉に期待が膨らむ一方、濃密で波瀾万丈なこの男の生涯を2時間半にまとめられるのか心配になる。2020/07/07
Die-Go
87
映画化に際して、新装版にて再読。幕末の京の都において、尊皇志士達を震え上がらせた新選組。その副長を務め、組織強化に辣腕をふるった土方歳三。生涯を通してバラガキであり続けた彼は最期に何を思ったか。 今まで上下巻でしか読んだことがなかったので、この新装版のように一冊に収まっていると、通史を読んでいるようで、臨場感が高まった。お薦め。ただ、私が発見しただけで誤植が三ヶ所あり、その点は要改善。★★★★★2020/04/18
はるを
81
🌟🌟🌟🌟☆。初めてちゃんとまともに読んだシリーズ。実は読む予定ではなかったのだが、映画化記念に刊行された新装版に一目惚れしてしまい読む事になった。近藤も土方も政治的野心が皆無だった事にびっくりした。局中法度を思いつく歳三は怖い。新選組の名前の由来も納得。薩長同盟が成立してからの大政奉還。鳥羽・伏見の戦いから流れは薩長優勢へ。勢力分布が拡大して複雑化して難しい。さらに近藤、沖田の死で徐々に追い詰められていく歳三。北海道までの船旅は退屈だったが五稜郭で最後キチンと締めてくれた。ごちそうさまでした。2021/12/15
ポチ
70
忘れていた事の方が多かったので、新鮮な気持ちで読めた。やっぱり土方歳三はいいなぁ。原田監督の解説も良く、映画が楽しみ。2020/05/09
紫 綺
60
西郷隆盛や坂本龍馬が好きな私としては、新選組に良い印象を持っていなかった。しかし、本書を通し見方が変わった。新選組を創り上げた、喧嘩屋:土方歳三の激しい生涯を壮大に描く傑作。2023/02/10