よこどり 小説メガバンク人事抗争

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よこどり 小説メガバンク人事抗争

  • 著者名:小野一起【著】
  • 価格 ¥1,595(本体¥1,450)
  • 講談社(2020/04発売)
  • ポイント 14pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065193150

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内容説明

自分を見失った男たちへのレクイエム
組織は、あなたからどこまで奪うのか!

メガバンクを舞台に「失われた30年の真因」を問う、緊迫のエンタテインメント。

「細部の圧倒的なリアルさ。銀行小説の新たな金字塔だ」――楡周平

【プロローグより】
「まず、君の手柄は、すべて私の手柄にする。いいな」
「はっ」
「それから、私の失敗は、すべて君のせいにする」
竜崎はおおきな執務机の前に寺田を立たせたまま、椅子の背に悠然と身体を預けていた。
「ただ、心配する必要はない。
君も、君の部下に同じようにやればいい。
それが銀行だ」
(引用ここまで)

舞台はメガバンク、主人公は広報部長――
裏切り者は、中(なか)にいる!

元共同通信日銀キャップが書く
巨大銀行の仁義なき権力闘争
息をのむ裏切りの連続
最後に立っているのは、誰か――

【ストーリー】
AG住永フィナンシャルグループの広報部長、寺田俊介は記者とのインタビュー中に
社長の竜崎太一郎が漏らした一言から、自らの出世の可能性を嗅ぎ取る。
吸い寄せられるように竜崎に服従する寺田は、経営難に転落した大手不動産をめぐる情報戦や大手証券との再編、バランスシートの膿、竜崎と相談役の人事抗争…と次々に訪れる難題に直面。掟破りの手段へと手を染め、メガバンクを覆う深い闇へと足を踏み入れていく。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まつうら

36
日本一のメガバンクを舞台に、社長の竜崎と筆頭相談役の栗原が人事抗争を繰り広げるストーリーだが、どこかで聞いたことのある展開で目新しさを感じない。最後は腹心の寺田が切り札をちらつかせることで、喧嘩両成敗に持っていくが、後任社長の安井がまた凡庸でおもしろみがない。ひとりだけ目を引いたのは、ワールドフィールドテック社長の木谷で、銀行ビジネスはもうオワコンなのだから、オレに任せてITの力で再生するぞという意気込みは頼もしい。前作「マネー喰い 金融記者極秘ファイル」が秀逸だっただけに、期待外れな感じで残念。2022/05/04

R

36
昭和の論理がまかり通る、銀行社会の栄枯盛衰を描いた小説でした。手柄は上司、失敗は部下のせいを公言し、その通りに生きる男と、その男に使われる広報部長の人事抗争記録なんだけども、出世に目がくらみ、自分を見失っていく様というのが生々しく描かれていて面白かった。何かを踏み越えた瞬間、それまでの倫理観と真逆のところへ変化したと思いながらも、受け入れていく様子が興味深いというか、そういうものなのかと思わされた。野心と器とは別の話だと突っぱねるようなラストもよかった。2020/09/03

まぁし

32
個人的には好きです!半沢直樹のテレビ映えするセリフやアクションも良いですが、これはこれで、派手さはないけど、淡々と、それが逆にリアル感が出て良かったです。銀行の派閥争い、子飼いの部下を登用する、一度失敗すると出世コースから外れる……もはや、都市伝説のような語り草になっていますが、実際の現場もそうなのでしょうか。虎視眈々と数少ないポストを狙うしたたかさや、相手を蹴落とすための画策合戦が、“敵は身内にあり”という感じで、見る分には面白かったです。『飼い犬に手を噛まれる』とはこういう事を言うんでしょうね。2022/08/24

Yunemo

31
いつの時代の話なのかなと。作中での富永平太金融担当相時代ですか。確かに当時、メガバンクの中での凄まじい権力闘争の話は実態として聞いた記憶があります。真っ当なバンカーとして生きてきた寺田広報部長、トップからの出世の餌に食いついてしまう。自分が担う責任の範囲でリスクを取り除き、間違いなく仕事をこなすことが銀行員の基本、と言わしめてますが、これこそが一般的な職業人としての生き方。よく言われてた、銀行の常識は世間の非常識、何だかこんなふうに育てられてしまうのかな。一度は目覚めて決断した寺田、最後にどうするのかな?2020/06/28

てつJapan

15
【良かった】・ 最初から最後までメガバンクの人事抗争の物語。広報部長の寺田を軸に話が進みます。 ・ その寺田に向けた社長竜崎の「君の手柄は私のもの、私の失敗は気味のせい。」という言葉。この言葉がすべてを表す社長と、負けず劣らずの会長・相談役達が繰り広げる醜い争い。ともかく嫌なもの見たさで最後まで読み進めました。    2020/09/29

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