講談社文庫<br> 奇想小説集

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講談社文庫
奇想小説集

  • 著者名:山田風太郎【著】
  • 価格 ¥715(本体¥650)
  • 講談社(2020/04発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
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  • ISBN:9784062748636

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内容説明

哀しい異境へようこそ、傑作の初期短編集。「魔界」へと続く作品群――戦後の東京で、青年と、神宮の森の樟(くすのき)をねぐらとする骨の軟らかい美少女との、愛欲を描いた「蝋人」。主人公の男のシンボルの形をした「鼻」を見て、女性が群がる「陰茎人」。グロテスクな表現の中に、風刺とユーモアと哀愁を込め、医学的知識をも駆使して人間の<性>を描いた、山田風太郎の初期短編集。全9編を収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ももたろう

16
極上のエンタメ。「自動射精機」が秀逸。高くても一回二百円で楽しめるという仮想の代物で、それを政府が公認するしないだの、水商売の女性が「自動射精機断固打倒」「セックスに人間性を」などとデモを起こすだの、機械の中に溜まったものの処理問題だの、読んでいて非現実的なんだけど、その架空の事物に対する男性や世間の反応がリアルで本当に面白かった。オチがまた面白い。2015/09/20

みや

9
初期の短篇・中篇を集めた文庫本。「性」をモチーフにした荒唐無稽な話が大半を占める。かなりブッ飛んだ着想やストーリーもみられ、筒井作品を読んでいるかのよう。これを敗戦や自身の生い立ちなどに起因する鬱屈への反動・復讐などと解釈することもできようが、ここは、馬鹿げた内容でありながら実に上手く構成されたその作品世界を純粋に楽しみたい。20ページちょっとの短さながら、鮮やかな起承転結を楽しめる『万太郎の耳』は特に絶品。2020/08/12

パーシー

8
山田風太郎の作品の中でも、特に奇天烈な短編が並ぶ。 着想がイカれてる。いい大人が考えることじゃない。中学生の恥ずかしい妄想のような世界を、持ち前のインテリジェンスと博覧強記っぷりで文芸に高めた類を見ない小説。 物凄く頭の良い人が、本気で馬鹿なことを書いている。通俗的なエンタメに食傷気味の人にちょっとオススメしたい本です。 「ものをかく人間は、ものをかくとき、たとえどんなにばかげた可笑しい文章をかいていても、たいてい厳粛悲痛な顔をしているものである。ちょうど、これをかいている作者のごとくに」2020/05/24

あにこ

7
山田風太郎ナメてたなぁ。忍法帖とか明治なんちゃらとか陳腐な中途半端ファンタジーばかり書いてる人だと思ってたのに。題名に惹かれて買ってしまったが、これは当たりだった。センスだよなァ文章ってのは……と思わされてしまう、独特の語り口は研究価値ありな気が。2010/12/27

ぴーひゃらら

7
ただの短編集かと思っていたら大間違い。アイデアは突飛だけど、どれも本気の作品ばかり。すごくおもしろかった。2010/12/05

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