内容説明
第４回カクヨムWeb小説コンテストキャラクター文芸部門 特別賞受賞！
「しゃべっても、しゃべっても、誰にも届かないの」
窮屈だったわたしの日々に突如現れたのは、ありのままの私を認めてくれる、マジョでした。
娘を案じるあまり過干渉気味な母親、杓子定規な態度の担任。
日常に息苦しさを感じるユキノは、高校に行けずごはんを食べることもままならない。
だけど、自分と向き合いながら楽しく日々を過ごす自称“魔女”たちと過ごすうちに
心の中で絡まっていた気持ちが、少しずつほどけはじめる。 巻末にレシピ付き。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yukision
70
ネコおばさんと呼ばれる近所のおばあさんと，そのおうちにやってきた日系イギリス人ニワトコさんとの交流で，不登校女子高生が自分と母親との関係を見つめ直す物語。ルバーブを塩煮にして練梅の代わりにしたり，ズッキーニとポテトチップスでお好み焼きを作ったり，海外で手に入りやすい材料で日本食を作るアイディアが楽しかった。爽やかで中高生にはいいかも。2022/08/06
ぶんこ
60
とても良かったです。16歳のユキノは高校に行かれなくなっていて、心配しすぎの母親の過干渉に何も言えない。そんな時にご近所の「ネコばあさん」と呼ばれているキワコさんと、キワコさんの家に滞在している英国人(見た目は日本人)のニワトコさんの二人に出会いかわっていきます。ニワトコさんの作るお料理がユニークというか、日本独自の材料が手に入らない英国で、日本人の父が苦心惨憺して編み出した料理に興味津々。パンをちぎって作る漬物？心をこめて作る料理は色々な悩みを拭い去ってくれるようです。2020/11/10
you
28
《図書館本》お気に入りさんの感想を拝読して手に取った本。とても素晴らしい1冊だった。高1の主人公ユキノは進学校に入学したものの学校に馴染めず不登校に。ある日近所で''ネコばあさん''として知られるキワコさんの元を訪ね、イギリスからやってきた''魔女''のニワトコさんと出会う。ニワトコさんの作るイギリス風アレンジの和食や、2人の穏やかな雰囲気に少しずつ元気を取り戻すユキノ。母と娘の微妙な距離感に胸が苦しくなったが、どれも共感してしまいニワトコさんの言葉に元気を貰えた。自分と相手の間に線を引くってとても大事。2020/11/27
kosmos
27
「まじょはじめました」という怪しげな張り紙をきっかけに、高校に行けていないユキノはネコばあさんと呼ばれているキワコさん、日系イギリス人のニワトコさんに出会う。雁字搦めになって動けなくなってしまっていたユキノの心が少しずつ解けていく様子が良かった。「みんな」から外れていると感じたことのある人の心を軽くしてくれる小説だと思う。 #ニコカド20202021/01/10
manamuse
26
あまり青春とか学園モノは読まないが、この作品はスッとしていて読みやすかった。不登校の女子高生ユキノは思ったことが上手に話せない。母親にも本音が言えない。世間の速さについていけない。ある時、近所のネコばあさんの家に「まじょ はじめました」という張り紙を発見。冷やし中華はじめましたみたいなノリだ←時々一人ノリツッコミをしているのもツボ。そこで出会った魔女と摩訶不思議な美味しい料理を一緒に作るうちに…。学童にいる似たような子にオススメしてみました。次の作品も期待して待ちたい。2021/03/31
