内容説明
いまはかつてないほど数学的思考が強く求められる時代だといえるでしょう。「何の役に立つかわからない」などといって、数学を毛嫌いしている場合ではありません。社会の重要な意志決定に加わることの多い人間ほど、数学的思考が必要です。数学というすばらしい思考ツールの存在意義をよく理解し、それを存分に活用する文系人間が増えることを願っています。(本文より)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
チャー
14
数学的思考と世界の見え方の関係について記された本。数式や公式そのものが社会生活の中で直接的に関わってくることは少ないが、一つ一つの考え方や視点は日常生活に広く適用可能であることに気付かされた。微分の考え方は、さまざまな変化を読み解く上で利用できる。ベクトルは方向だけでなく大きさも備える。宝くじの期待値と合格率の余事象。かつとまたはを図示する事で複雑な文章を読み解く手がかりとする等は大変わかりやすい。考え方を学んだつもりでうまく活用していなかったことに気づく。生活に役立てるという意味で目からウロコであった。2020/06/01
ta_chanko
14
正比例幻想にとらわれず、物事の変化と勢いを正確に見極めるための「微分」。物事のスタイルや一貫した変形作用を理解するための「関数」。物事を様々な観点から評価するための「座標」。無謀な選択を避け、勇気の出る現実を見つけるための「確率」。思い込みを排し、確たる前提に基づいて事実認識を積み上げていく「証明」。方向性と大きさを合成・分解することで物事を分析する「ベクトル」。片付けは「因数分解」。正負によらず、大きさを示す「絶対値」。まさに生活の中で使える数学的思考。勉強になりました。2020/04/15
羊山羊
12
中高生で数学というジャンルまるまるをどぶに捨てることになり、それ以来読む気になって読んだ数学の本といえばサイモン・シンくらいのものである。数学という思考の型を、文系が取り入れ生かすにはどうすればよいかに焦点を絞った優しい自己啓発書。正直本著を読んだからと言って数学を学びなおしたくなったか、というと、残念ながらそうはならなかったが、数学の魅力あふれる世界を語ってくれるこの1冊が、とても大事に思えてくる本。 2020/09/06
shouyi.
9
小学生の頃から苦手だった数学。高校生の微分・積分の授業からアレルギーになってしまった。なぜ数学を学ぶ必要があるんだ?この本は文系人間の視点から数学がどのような思考につながるかを明解に示している。『方法序説』が読みたくなった。2020/04/11
N
6
物事の価値は絶対的なものではなく、何を評価軸にするかによって変わる。目から鱗でした。象限とベン図がわかりやすい。2021/09/13




