内容説明
進化の末に、動物は「賢さ」を獲得した。
それは人間も、サルも、カラスも、イルカも、タコも、みんな同じである。
われわれは自分たちだけが賢いと思っていないか?
心理学との境界線を行くユニークな動物研究の分野を開拓してきた著者が、
動物行動学の歴史から最新の研究まで、豊富な事例を示すとともに読者へと問いかける。
ドゥ・ヴァールが新たに提唱する「進化認知学」とは――
人間中心の科学から脱却し、動物の認知とは何かを見つめなおす。
驚きのエピソード満載、著者自身の手によるイラスト多数。待望の最新作!
●チンパンジーは食べ物のありかを知っていることを悟られないようにふるまう
●カケスは相手が何を欲しがっているか見極めてプロポーズの贈り物を選ぶ
●アシナガバチは一匹ずつ顔が違い、仲間の顔を見分けている
●タコは自分を攻撃した人間を覚えていて、怒りをあらわにする
目次
第1章 魔法の泉
虫になる/群盲、ゾウを……/人間性否認
第2章 二派物語
犬には欲望があるか?/空腹ゲーム/単純にしておく/馬を責める/安楽椅子霊長類
学/雪解け/ビーウルフ
第3章 認知の波紋
ユリイカ! /ハチっ面/ヒトを再定義する/カラス参上!
第4章 私に話しかけて
オウムのアレックス/どこまでが本物の言語能力か?/犬たちへ
第5章 あらゆるものの尺度
進化は人間の頭の手前止まり/他者が何を知っているかを知る/賢いハンスの逆/
習慣を広める/モラトリアム
第6章 社会的技能
マキアヴェリ的知性/三者関係認識/論より証拠/ギョッとする協力行動/ゾウの政略
第7章 時がたてばわかる
失われた時を求めて/猫の傘/動物の意志の力/何を知っているかを知る/意識
第8章 鏡と瓶を巡って
ゾウは聴いている/鏡の中のカササギ/軟体動物の知力/郷に入っては/名前で呼ぶ?
第9章 進化認知学
解説(松沢哲郎)
感想・レビュー
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