武器としての「資本論」

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紙書籍版価格 ¥1,760
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武器としての「資本論」

  • 著者名:白井聡【著】
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • 東洋経済新報社(2020/04発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784492212417

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内容説明

なぜ「格差社会」が生まれるのか。
なぜ自己啓発書を何冊読んでも救われないのか。
資本主義を内面化した人生から脱却するための思考法がわかる。
ベストセラー『永続敗戦論』『国体論』著者によるまったく新しい「資本論」入門!

経済危機が起こるたびに「マルクスの『資本論』を読もう!」という掛け声が上がる。でもどうやって読んだらいいのか。「資本論」の入門書は数多く刊行されている。しかし「資本論」を正確に理解することと、「資本論」を現代に生かすこととは同じなのか?
本書では「資本論」の中でも今日の資本制社会を考える上で最重要の概念に着目し、それが今生きていることをどれほど鮮やかに解明するかを見ていく。

【他の「資本論」入門書との違い】
◎マルクスの「資本論」そのものの解説ではなく、「資本論」の「キモ」の部分だけを紹介。
◎「資本論」の中でも最重要な「商品」「包摂」「剰余価値」「本源的蓄積」「階級闘争」を切り口に、なぜ今のような格差社会が生まれているのか、どうすれば「乱世」を生き延びられるのか、を考える。

【本文より一部抜粋】
実は私たちが気づかないうちに、金持ち階級、資本家階級はずっと階級闘争を、いわば黙って闘ってきたのです。
それに対して労働者階級の側は「階級闘争なんてもう古い。そんなものはもう終わった」という言辞に騙され、ボーッとしているうちに、一方的にやられっぱなしになってしまったというわけです。(第11講より)

目次

はじめに 生き延びるための「武器」としての『資本論』
第1講 本書はどのような『資本論』入門なのか
第2講 資本主義社会とは? ――万物の「商品化」
第3講 後腐れのない共同体外の原理「無縁」 ――商品の起源
第4講 新自由主義が変えた人間の「魂・感性・センス」 ――「包摂」とは何か
第5講 失われた「後ろめたさ」「誇り」「階級意識」――魂の「包摂」
第6講「人生がつまらない」のはなぜか ――商品化の果ての「消費者」化
第7講 すべては資本の増殖のために ――「剰余価値」
第8講 イノベーションはなぜ人を幸せにしないのか ――二種類の「剰余価値」
第9講 現代資本主義はどう変化してきたのか ――ポスト・フォーディズムという悪夢
第10講 資本主義はどのようにして始まったのか ――「本源的蓄積」
第11講 引きはがされる私たち ――歴史上の「本源的蓄積」
第12講 「みんなで豊かに」はなれない時代 ――階級闘争の理論と現実
第13講 はじまったものは必ず終わる ――マルクスの階級闘争の理論
第14講 「こんなものが食えるか!」と言えますか? ――階級闘争のアリーナ
おわりに
付属ガイドブック

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

徒花

151
おもしろかった。ここ最近はマルクスの資本論関連の本をいくつか読んでいるけれど、そのなかでもへんな偏りがなくてバランスの取れた入門書に仕上がっている感じ。著者自身のちょっとした身の回りのこととか、最近の日本経済に絡めた具体的な話がちょいちょい挟まるので、カバーのいささかソリッドでスタイリッシュな印象よりも中身は柔らかい。最終的な結論としては、「資本主義的な価値観から脱却しよう」ということ。人間の感性、お金以外の豊かさを追求する姿勢の重要性が述べられている。2020/12/15

tsu55

47
『資本論』は19世紀イギリスの資本主義社会をを分析したものだが、そのキモは現代にも通用する。 新自由主義によって「人間存在の全体、思考や感性までもが資本のもとへと包摂され」た現代人の生きづらさを克服するには、人間の基礎価値を信じて「感性の再建」をすること。うん、うん。 最近の若者の中には『男はつらいよ』のフーテンの寅さんが理解できないという人が多いのだという。そうなんだ。そんな世の中になってきているんだ。2020/05/24

おたま

45
これはマルクス『資本論』の解説書ではなく、『資本論』の諸概念を使って現代社会を読み解いていこうという本。著者自身が「本書は『資本論』の入門書ではありますが、裏にあるテーマは「新自由主義の打倒」です」と述べているように、まさに眼前にある「新自由主義」の世界を、『資本論』を使って読み解き、その問題点を摘出し、乗り越えていく方途を探っている。「包摂」「剰余価値」「本源的蓄積」等の概念を使って「新自由主義」の非人間的な本質を暴露していく手際はさすがだと思う。私たちの「等価交換の攪乱・廃棄」という見方こそ必要だ。2022/06/04

樋口佳之

41
労働価値説を自明とし、イデオロギー上の自立が大事ですって語っているのだと読みました。/「それをお金で買いますか?」っていう問いかけと、著者の語る結論の間にどれ程の違いがあるのかはわかんないな。/ビジネス書としての資本論みたいな本まである中、ストレートなタイトルは好印象だし、趣旨を読み取りやすい概説書でした。2020/07/07

yutaro13

33
現代を生き抜く上で重要な『資本論』の概念を解説。私のような賃金労働者は一読の価値あり。技術革新が労働時間を減らさない理由がよくわかる。著者いわく本書の裏のテーマは新自由主義の打倒。新自由主義は資本家による労働者への階級闘争(ハーヴェイ)であり、資本による「包摂」が人間の思考・感性にまで推し進められたとの指摘は興味深い。この状況を打破するには感性の再建が必要であり、そのための武器となるのが『資本論』とのこと。スタンスは異なるが岩井克人氏が新自由主義からの脱却可能性としてカントの倫理学を挙げていたことを想起。2020/07/25

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