内容説明
空海の謎、密教の真相に挑む労作! 中国・インドへの精力的な取材を得て、無限にひろがる清張史観をここに再現! ――無錫・福州から揚州へ、伝説と虚飾に彩られた天才僧・空海の足跡をたどり、入唐の謎にせまる、中国への旅。さらに、密教の起源をさかのぼるために、インドを北から南へと、長期にわたる取材を敢行。玄人はだしのカメラアングルとともに、いきいきとした力強い文章で、清張史観を縦横無尽に展開する、渾身の力作。目で足で確かめる歴史の旅の醍醐味がここにある!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
浅香山三郎
12
松本清張といふ作家の凄さの一つは、1960年代には硬質な社会派推理小説を多作する一方で、初期から胚胎してゐた歴史研究的な素材を次第に創作に取り込み、晩年に至るまで作風を多様化させたといふ点にある。小説のみならず、古代史については、論考の形での著作もある。本書は、テレビ番組の為の取材旅行をベースにした、1984年の紀行文と論考を一書にまとめたもの。空海と密教のやうなものも扱つてゐたのかと驚くが、ゾロアスター教への関心は既に『火の路』に生かされてをり、インドにおける西の宗教の影響といふ論にも踏み込む。↓2024/01/30
猫森
2
空海の若い頃、31歳で遣唐使に同行して唐に渡るまでの、空白の期間についての考察が面白かった。2020/06/08
kiiseegen
2
紀行文形式で中国編とインド編に別れている。巻末に近い「インド宗教の変遷」辺りが特に印象深い。密教の深さを知った感・・・あり。2013/10/29
ハヤカワショボ夫
1
松本清張氏による空海本。題名通り密教の伝来した水路を中国からインドまで遡るカラー写真入り紀行文です。取材の時期が昭和58年と今から33年前で今や中国・インドは共に著しい発展を遂げもう失われている所も多々あると思われ貴重です。松本史観では①入唐時空海は留学僧でなく通訳だった②鑑真は名僧でなかった③恵果は誰も密教を学びに来ないところに空海が偶然やってきた④密教は仏教でなく始めから中国輸出用にナーランド寺学僧によって創られた⑤中国密教は天才一行が解釈を加え不空の故意の誤訳により成立した等独特でした。【家】★★★2015/08/20
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