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内容説明
勤め先の上司にほのかな恋心を抱いた子持ちの女性。定年を迎えた日に、別れた妻に花束を届け、感謝の気持ちを伝えた男。子供たちがいなくなった家で、インコをかすがいに生きる老夫婦――。さらにボタンを掛け違えてしまった嫁と姑や、孤独ゆえに心を寄せ合う隣人同士など、日常生活の中の何気ない一コマを描いた物語が、渇いた心にしみわたり、忘れていた人生の記憶を呼び覚ます。切なく、心温まる人間ドラマが満載された本書。読み進めるうちに、なぜか心の澱みが洗い流されたような気持ちになるのは、著者の端正な筆致ゆえか。生きることに疲れていても、本書を開くと、いつでもやり直しがきくような気がする。内海隆一郎の世界は、こんこんと湧く泉のごとく涼やかでありながら、その実、明日へのエネルギーに満ち溢れているのである。生きていることが、いとおしくなる24篇。解説は詩人で文芸評論家の安宅夏夫氏。内海文学の真髄を語り尽くしている。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
35
内海さんの本の多くは図書館の書庫にしまわれています。リクエストしては少しずつ読んでいるのですが、どの作品も読後感はほんのりとした温かさです。文体が私に合っているのか、素直に頭にも心にも入ってきて、深い感動はありませんが、いつも心地よい。あとがきを読むと60歳を超えた人びとの悔恨や切ない気持ちとあって、あぁ、そうだったんだ。自分の気持ちと寄り添う感じなんだ。この歳まで生きると色々あります。それでも生きて本が読めて、幸せをかみしめてるのかな。2017/07/13
ふくおか092
0
身につまされるストーリーで、ずっと再読したかった1編があったので、久しぶりにそれが読めて良かった。ファンタジーな内容の作品が結構あり、意外であった。「逡巡」という言葉がよく使用されているなと思った。2025/10/22
tnyak
0
20年ほど前に知人から、涼やかで透明感ある作風の作家だ、と内海作品を勧められた(作品名は失念)。本作品の24の人間ドラマ、何れも心温まる短編だった。2020/05/08
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