内容説明
古本の中には、元の持ち主によるメモ、付箋などが残っていたり、手紙や写真が挟まっているものがある。著者は様々な痕跡からドラマを夢想する。童話集に挟まれたラブレターから二人のその後を、女学生の名前から百合的なドラマを……。そして痕跡本を持ち主に返す旅に著者は出かけ、持ち主に会うことに! 「痕跡本」を通して本と人との関係性を考える一冊。
目次
はじめに
第1章 痕跡本は語る
あこがれのかたち 『クリック──佐藤雅彦 超・短編集』
愛情の上書き 『アンガスとねこ』
言葉はわかっても、話は通じないような 『いたこニーチェ』
「少女の終わり」に、勝手に思いを馳せて 『胸より胸に』
本に託した言葉 『アンデルセン童話集』全10巻
「絵日記」のような「何か」のような 『ガラスの靴・悪い仲間』
「クワイエットルーム」からの手紙 『クワイエットルームにようこそ』
クイズの答えより、あなたの答えを私は聞きたい 『テレビクイズ入門』
悪口に愛をこめて 『吉本隆明 全マンガ論』
「危険」で「ドラッグ」な「ドラッグ本」 『ドラッグ in ロック』
目つぶし肯定論 『ウルトラマン』第1巻
本が友だちだったころ 『超力戦隊オーレンジャー』17巻
神は細部に宿る 『サッキュバシィ絵夢』
「あの時代」をつかまえて 『パックランドでつかまえて』
「痕跡本」の痕跡から「本」を読む 書籍情報一切不明
第2章 痕跡本を聴く
不器用な先輩は、ただ無言で本を置く 『演技入門』
田舎者の苦悩 『管理人の飼猫』
「誰か」の地球の歩き方 『地球の歩き方 フィリピン』
いっぺんタイマンはったらダチじゃい! 『冬の火花』
血のながれる病 『パリ仕込みお料理ノート』
封印されたページの向こうに 『私の美男子論』
慌てるな! これは孔明の罠だと信じたい…… 『諸葛孔明』
退屈な時に読む本は、何も考えないでいいんじゃね? 『退屈世界』
翻訳がつなぐ縁 『悪の華』
痕跡本を読んでると、ついつい運命とかいいたくなっちゃう 『図会 キリシタン風土記』
図書館の本って、まさか元祖ツイッター? 『行かずに死ねるか!』
これは……持ち主に返さなければ……! 痕跡本、持ち主探してロンゲストジャーニー 『平和の政治学』
第3章 痕跡本、様々なかたち
裏返し本のコワさ
本をカスタマイズする人々
詩人になる人々
メモ帳がわりにされた本について
アンケートはがきは出されない
「途中読み」の楽しみ方
「記録」としての痕跡本
付箋あれこれ人それぞれ
プレゼントのゆくすえ
第4章 痕跡本、それから
「痕跡」は、本が一番面白い
自費出版本について
読んでない本大賞のこと
あとがき
推薦文 岡崎武志
感想・レビュー
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やすらぎ
へくとぱすかる
hnzwd
ミライ
けいた@読書中はお静かに