内容説明
格差と分断が広がる社会のリアルな人間模様を通し、「正義とはなにか」「正義の執行とはどうあるべきか」を読者に真摯に問いかけ、ともに考える。オバマに任命され、トランプと闘い罷免されたNY連邦検事が在職期間7年半の法廷秘話を明かす現代の「罪と罰」。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
78
象から驢馬(vice versa)への転換は、DC等では恒例行事。POTUSの疑惑渦巻く中で解任された著者の”引越し”は、記憶に残る。司法4段階で語る正義と問題提起。各種圧力、見えざる大義/優先度を踏まえたJusticeの定義など、日本でもダブル点多々。唯一、”正義の抽選器”、初耳でした!頭に浮かぶ『OJ Simpson事件』。年当時住んでいたCAのIrvineで追跡劇をLiveで熟視。その後の顛末と氏の転落も注視。著者の言うところの「法律の限界と人間力」を、再認識させた事件。陪審員の苦悩も計り知れない。2020/08/23
Miyoshi Hirotaka
18
正義は移ろう。政治、宗教、民族、文化、時代による長期的変化を受ける。女性を公開の場で石打にすることや仇討ちが正義とされた時代があった。義に殉じる尊さは紀元前の「橋の上のホラティウス」も神風特攻隊も変わらない。一方、正義は短期で変質するようになった。民間人を巻き添えにした大量虐殺やテロを起こした側が正義になり得る。差別を絶対悪とする正義は少数派に過大な権力を与えている。正義を成し遂げることと同様に正義が成立する過程を示すのも重要。プロセスが公正で。それに関わる人間が公平な考え方を持った時に正義は共有される。2024/01/08
どんちゃん
2
事実はドラマより面白い!司法取引ってやっぱりなんだかなぁと思ってしまう。2021/01/28
かんちゃん
1
正義は、法律や制度からではなく、人間から生まれるものなのです。 なんと、アメリカという国の持つ凄いパワーを痛感した。 こんな本を連邦検事の職にあった人が書けるんだ。 なんとヒューマンパワーのあふれた国なんだろう。2023/01/06