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内容説明
10世紀に中国で紙幣が誕生するとすぐ贋札が出現した。手書きの偽造犯、国でさえ判別できない精巧な偽造から、ナチスによる英ポンド偽造作戦、近年の事件まで。元大蔵省印刷局の著者がその歴史を紐解く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
60
2024年にお札が変わるのはなぜか。ニセ札は紙のお金としての宿命かもしれない。歴史に出現した直後から、紙幣はニセ物に悩まされ、印刷技術の向上とともに、犯人とのいたちごっこを繰り返す様相が述べられ、時期をみて新札が出る理由もわかる。究極的には、本物の技術がニセ物を上回っていることに支えられているわけだが、ニセ札が割に合わない犯罪であることは救いだ。イングランド銀行券にまつわる処罰の話や、戦術としてドイツや日本が敵国の札を大量偽造した件などは、歴史的に深刻。2020/04/08
nnpusnsn1945
44
古代中国においてお札は誕生したが、同時に偽札も出回った。そして、時代は変われど、技術を悪用した行為は続いている。しかし、最近は目立たなくなったらしい。見破るシステムも発展し、偽造はより割に合わない行為となっている。国によっては電子決済も推進されているが、日本が現金主義なのは遅れもあるだろうが、紙幣が信頼できる証とも言える。2021/11/25
よっち
31
10世紀に紙幣が発明されて以来続く偽造犯との戦いの歴史を元大蔵省印刷局の専門家が明かした一冊。中国北宋時代の交子が最初といわれる紙幣はその時代から偽造紙幣が生まれていて、水彩による職人技を駆使した者、米国財務省をも出し抜いた「偽造者の王」、戦時中に謀略活動として行われたナポレオン軍による占領国の紙幣原版密輸、ナチスによる英ポンド券偽造作戦などの事件を挙げつつ、紙幣に肖像が使われる理由や最新の印刷・製紙技術まで紹介。定期的に新札が出る理由も分かりましたが、読んでいてこの戦いは終わらないなと苦笑いしました。 2020/05/07
conegi
8
雑学的に読んでみようと思ったら、思ったよりも学術的な感じで少し意外。しかし面白くないわけではなく、それなりに楽しめた。少なくても現代日本では贋札というものは比率的に極小で、金銭的被害は国家的には無視しても良いほど小さい。それでも重罰なのは信頼を損なうため。お金というのは実体のない存在で、その信頼性を担保するのは国の責務。日本はキャッシュレス化が遅れていると言われるが、裏を返せば偽造防止対策をしっかり行われている紙幣への信頼の証ともいえる。2025/05/07
えぬ氏もわるよのぉ
4
洋の東西を問わず、紙幣の誕生直後から贋札も現れたというから、人間の欲望は業が深い。様々な具体的な犯罪事例や、戦争中に国家が敵国の紙幣を偽造した例など、いろいろと興味深かったが、いつの時代にも紙幣は最新の高度な印刷技術が投入されるのが常だから、偽造は容易ではないということが、あらためてよく解った。2020/05/23
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