内容説明
届くことのない、20年の片想い。子を授かっても、それは変わらず……。
凍りつくように寒いローマの朝、アウロラは行くあてもなく、赤ん坊をかかえたまま、この20年を思い返していた。幼いころは、ニコと結婚できると夢見ていた。でも初恋を捧げても、バージンを差し出しても、成功者で富豪のニコは私を拒みつづけた。実は彼の子供を産んでいたと知ったら、どんな顔をされるかしら?愛のない結婚に縛りつけたくなくて勝手に姿を消したけれど、もうニコ以外に頼れる人はいない。助けてくれる人も。アウロラは彼に電話した。「ニコ、ごめんなさい――」
■故郷を憎むヒーローにとって、故郷を愛するヒロインは誰より選びたくない相手でした。それでも独占欲から、彼は残酷に告げます。「結婚はできないが、僕への気持ちは捨てないでくれ」愛憎入り乱れる二人の関係は、シークレットベビーにより意外な展開へ……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
27
完全にイタリアオンリーのお話をオーストラリア在住の女性が書くのって面白いな、と思いつつ。…とはいえ、もしラストネームが本名ならイタリア系なのかもな。家庭に恵まれなかった男子と、彼にず~っと片思いな南イタリアを体現しているような女子のもどかしいロマンスです。女子の父母の仕打ちに少々戸惑いました。自分ならしないなあ、これ。2021/07/03
じょう
9
ヒロインとヒーローは幼馴染。親から暴力を受けていたヒーローをヒロイン一家が助けていた。当然結婚すると思われていた2人だったのにヒーローは故郷を離れたくて拒否。数年後、帰郷した時に一夜の関係に。数年後、故郷にホテルを開設するヒーロー。スタッフに選ばれるヒロイン。親しく接してくる地元スタッフにイライラするヒーロー。。。ヒーローの境遇も可哀そうですが、中途半端に故郷に関わりヒロインを振り回す。ヒロインが健気です。2021/06/02