内容説明
いま社会保障制度を持続可能にするには,どうしたらいいのか.全国各地で始まっている,生活に困窮したり,社会から孤立している人たちへの「相談支援」が育む可能性を明らかにし,そこで生まれている住民と行政による新たな〈地域〉づくりを社会保障制度,そして法律の中に位置づけていく.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
64
法律家の見地からの考察で概論的なものなので、問題の本質に踏みこむまでには至らず、やや散漫な印象を受けた。障碍者福祉、生活困窮者への福祉など、細かい問題にはこの本を踏まえつつさらに研究が必要になる。2019/09/25
佐治駿河
40
著者が社会保障分野について相当量の勉強をしていることは伝わってくるものの、本書を通して最終的に何を主張したいのかは、やや掴みにくかった。現行制度が憲法や法律の理念から乖離していることを問題提起したいのか、それとも憲法や法律を根拠に、さらに社会福祉を拡充すべきだと言いたいのか、その立ち位置が曖昧に感じられる。2026/06/01
パット長月
6
従来の給付一辺倒の社会保障から「相談支援」体制の構築と「地域(コミュニティ)」による支援体制の再構築が著者の主張である。正論と思う。が、大災害などによる既存体制の崩壊によって更地?状態にでもなればともかく、戦後の新しい生き方として、事実上家庭や地域社会からの独立が推奨・教育され、社会に対して自分勝手な要求ばかりする今の日本人に、自発的な活動を期待するのは現実的ではなかろう。まずは専門職や役所によるコスパに合わない地道な活動と、何よりも、小中学校の教育さらに家庭における教育内容を再構築する必要があるのでは。2020/01/29
見もの・読みもの日記
6
社会保障の目的は個人の自立と自律の支援にあるので、給付だけでなく相談支援が重要。異論はないが、やっぱり心配なのは財政基盤。「地域で支える」という主張も理想論めいて眉唾。その一方、自分も定年を迎えたら、以後はどこかの「地域」に帰属するしかないという気持ちは実感としてある。2020/01/10
ねこっく
4
都会と田舎、果たして真の意味での理想郷はどちらなのだろうかー。いつも考えるテーマだ。田舎にはホームレスはいない。それは世界共通の事項と言える。では田舎には困窮者はいないのか。それはノーだ。母子家庭やワーキングプア、障害持ちの地域で疎まれている厄介者。政令指定都市でガキの頃育った私が社会人になり、多様な田舎の自治体を回って見てきた光景だ。この本を読んだのは学生の頃だったから、まだそこまで世界の解像度が高くなかった。だからあまりこの理論が心に落とし込めなかったのだと反省している。今再び取り組むべき事項なのか。2021/01/16




