内容説明
世にも不思議な「毒々生物」の知られざる姿とは?
「毒」は人類を救う!?
ある日突然、皮膚の一部が青、赤、紫、黒と変色し、やがて壊死する。驚きの症状の原因は小さな蜘蛛だった!
この世には想像を絶する「毒々生物」たちが生息している。ゴキブリの脳を乗っ取るハチ、体長3メートルの肉食トカゲ、赤血球を破裂させるクラゲ……。
読めば読むほど「毒々生物」に夢中になる禁断の書!
・インフルエンザ予防のためにヘビ毒を注射する男
・「刺されると痛い昆虫ランキング」のために78回刺されまくった昆虫学者
・ペットのヒルを持ち歩き、自分の血を吸わせている寄生虫学者……
「毒々生物」に魅了された人間たちもこんなにヤバイ!
解説は『ざんねんないきもの事典』監修の今泉忠明。
※この電子書籍は2017年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
hnzwd
26
毒。なぜそっちに進化したのか、というのを解説してくれる一冊。やっぱり寄生蜂は魅力的。2020/03/22
Tomomi Yazaki
22
この手の本は読み手の興味により、その良し悪しが分かれるところでしょう。私は毒ではなく、生物進化の観点から興味を持ちこれを手にしました。読んでみると内容は専門的で、翻訳が直訳的なだけに、正確性を要するこの本にとって功を奏している。もっと破茶滅茶な面白ろ蘊蓄図鑑だと思っていたけど、代表的な生物を中心にその発見の歴史や解析内容、医学への貢献度など、生物毒に関する知識が津々浦々と綴られている。これによると、アルツハイマーや筋ジストロフィーへの生物毒の臨床試験が始まっているとか。エイズもミツバチの毒で治るかも?!2021/01/22
ローレンツ🐾
20
本書の邦題名からしてもっと単純な【面白おかしな動物図鑑】的な本かと思いきや、毒液生物に関する研究や生態を詳細に書かれた素晴らしい本だった! ある生物の毒がどの生物にとって毒となるのか。 そもそもなぜ毒なのか。 突き詰めればとても面白い。 今泉忠明先生の解説も秀逸、 表紙の絵はチョーヒカル。 この本、先の予想に反してものすごい良書だった!2022/05/21
タカボー
11
テレビ番組の収録中にアカエイに刺されて死亡したスティーブアーウィンのエピソードがあったり。毒という奇妙な武器を持つ動物をただ紹介するというのでなく、毒に対して人間の体がどう反応するのかとか、アカデミックで難しいところもあったけど毒を創薬に生かす話とか面白かった。異物が体内に侵入した時に、自分が意識しないところで体の中の色んなものが戦ってくれてるんだな。2021/12/21
ふたば
6
複雑で多様な毒の性質が、人間をあらゆる病気から救う救世主になる可能性を持つということ。ヒトは毒のある生物を危険と感じ、忌避するようにプログラムされている。害獣・害虫などと言って駆除する方向に走りたがるが、これを読めば、そんな考えは吹っ飛ぶのではないだろうか。もちろん、出来るだけ接触しないに越したことの無いモノは多いが、毛嫌いするだけではいけないのだと心に刻みたい。2020/03/18




