ちくま学芸文庫<br> 風姿花伝

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ちくま学芸文庫
風姿花伝

  • ISBN:9784480099624

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内容説明

「秘すれば花なり、秘せずば花なるべからず」。神・仏に邂逅した出来事を、神事・仏事として「花」をもたらすべく再現する儀礼“猿楽能”をどのように修するか。約二十年かけて増補改訂、推敲が重ねられた世阿弥の主著。有限・無常な修者は、生涯を通して「花」を体現すべく、しぐさ、舞、物まね、音曲をどのように習い学ぶか、台本である謡曲をどのように作るか、興行はどうあるべきかなどが論じられる。そこでは幽玄論の確立とともに、日本文化史上稀有な奥行きの深い思想を展開。本書は『風姿花伝』を日本思想史の文脈のなかに位置付け、捉え直した画期的訳注書。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ホシ

17
何となく能「敦盛」をyoutubeで見て以来、能が頭を離れず本書を手に取りました。『風姿花伝』を座右の書とするビジネスマンもいるのだとか。初心を忘れず謙虚に勉励を重ね、かと言って努力の姿を他人に見せず、その都度その都度の申楽に全霊を注ぐ。そこに年々去来の「花」が現れる。たとえ老いて若き日の瑞々しさが消え失せたとしても、学びを怠らなかったならば老骨にも花が残る…。こんなふうに私は受け止めました。演劇とは全く関係のない仕事に携わっていますが、たしかに多くの示唆を与えてくれる一冊です。2020/04/30

けん

9
★2.5 私のようなド素人には 、『100分で名著ブックス』の方が 分かりやすかった。2021/09/20

Mihoko

5
初心忘るべからず、時分の花とまことの花、年々去来の花、男時女時…と聞いたことあるフレーズが出現。猿楽能を鑑賞したことのない私にはサッパリ解らず。ネットで調べ、納得しながら読了。老齢になってもそこで起こることは初めての体験、初心と思い挑戦し続けよ!と。励まされる言葉。若い時の花は一時のことかもしれないが、年代年代の経験を積み重ね最後に残るまことの花を咲かせなさいみたいな!こんなキチンと生きてない~。と落ち込む。豚肉真珠の私の風姿花伝でした😢2021/08/18

ろっか

3
「これはあらゆる福徳を見極め、もたらす妙なる花の口伝である」猿額の家を継ぐ子孫への家訓。一子相伝の秘伝書が世に知られたのは明治時代。現代語訳や補説を読んで、改めて世阿弥の言葉の意味を知ることができた。「初心忘るべからず」命には終わりあるが能には果てがない。「秘すれば花なり。秘せずば花なるべからず」相手に知らせないことによって生涯を通しての花の持ち主となる。秘事を保持していること自体を相手に知られてはならない。「いずれの花が散らずにいるであろうか。散るゆえに、咲く時があって珍しきなのである」2021/03/06

otukiokiyoshi

0
岩波文庫版も購入したけど、やはり現代語訳がついているこちらの方が初心者が読むには断然にいい。2025/05/04

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