かくされてきた戦争孤児

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かくされてきた戦争孤児

  • 著者名:金田茉莉【著】
  • 価格 ¥1,430(本体¥1,300)
  • 講談社(2020/03発売)
  • 5/5はこどもの日!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~5/6)
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  • ISBN:9784065164815

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内容説明

戦争孤児だった著者が、自身の境遇と仲間の証言、データから調査
戦後に生きた孤児たちの真実を明かす

戦争孤児の実態伝承によって「吉川英治文化賞」を受賞した著者が
長きに渡り調査してきた「戦争孤児実態調査」最新記録。

正しく公表されることのない戦争孤児たちの真実を貴重な証言や、
著者自身が集めたデータによって検証していく。

東京大空襲で家族を失った孤児たちの悲惨な境遇や、
かつて語られることのなかった学童疎開など、
戦争孤児だった著者の体験を交えて綴る戦争孤児調査の集大成。

解説:野田正彰(精神科医・ノンフィクション作家)

目次

第一章 戦争孤児と私
第二章 学童疎開と戦争孤児
第三章 隠蔽されてきた疎開孤児
第四章 全国孤児一斉調査と戦後の生活
第五章 浮浪児
終章

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

73
戦争孤児にとって、戦後こそ悲惨で苦しい時代だった。空襲で親を亡くした子どもに、政府は何ひとつ援助せず、むしろ邪魔者扱いして、飢えや暴力にさらされる日々を送らせ、関係書類も処分し、存在を隠蔽してきたことが、自身も戦災孤児だった金田さんの調査で明らかにされた。今ごろ? などと言うべきではない。近年ようやく少しずつ語れるようになった、それほど重い体験だったのだ。戦争孤児をテーマにした児童文学などで読んだことはあっても、本当の実態を知らなかったことが悔やまれる。何よりも戦争が人の心を荒れ果てさせることが恐ろしい。2020/08/26

trazom

59
学童疎開中に家族を亡くし孤児となった人たちが、どんなに過酷な人生を歩んできたかを目の当たりにし、胸が締め付けられる。編集が洗練されているとは言い難い本だが、数々の生の証言が臨場感を高めている。孤児となった途端に態度が急変し厄介者扱いする親戚や、奴隷と承知で農家への養子を急ぐ校長先生など、人の心を鬼に変えてしまう時代だったことを思う。戦争被害では、まず子供の救済から始めるという欧州に対し、日本は軍人に手厚く、民間への国家補償はゼロ。新型コロナで直面する「国家が補償すべきことは何か」という課題が頭に浮かぶ。2020/04/30

かおりんご

27
とてもヘビーな内容。空襲等で家族を失い、親戚に預けられたり、他所に養子にやられたりして、人を人と思わない仕打ちを受けて育った人の多いこと、多いこと、、、誰もが生きて行くことに必死だった時代だとはいえ、一番親の愛が必要な時期に虐げられて育った元孤児のことを思うと、心が痛くなる。この本を読むと、「ほたるの墓」で節子たちが家を飛び出した気持ちがよく分かる。いつの時代も、子供が犠牲になる戦争。この悲しみを繰り返してはならない。2021/02/13

8
これほどまでに重厚な書籍が世に存在することがひとつの救いだと思う。コロナウイルスという未曾有のパンデミックにある現代社会を生きる我々は、国が全国民を救済しないことを熟知している。政治家の数々の不祥事から、政治家は都合が悪いことは認めず闇に葬ること、事実が事実として表に出にくいことを理解している。戦争は、現代の様々な問題よりも遥かに予想がつかないことが起き、そしてその責任を誰も取らず、保障も誰もしてくれない。空襲の記念館を作ることすら反対するっていったい何を考えているのか。我々は思考を止めてはいけない。2022/08/02

okaching

5
これこそ想像しうる地獄絵図。親を失い親族に引き取られたものは親族からの差別的な扱い、自尊心を潰される徹底した口攻撃。親族すらおらず、守ってくれる人が居ない孤児は動物のように扱われ利用される。売春、労働などなど。上手く逃げれても待っているのは飢餓や凍死。戦争は弱者を苦しめるもの。2023/10/16

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