石部明の川柳と挑発

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石部明の川柳と挑発

  • 著者名:堺利彦【監修】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 新葉館出版(2020/02発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784860440411

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内容説明

先人の川柳ベストコレクションシリーズ。
平成の現代川柳を代表する作家の一人。岡山に生まれ、岡山川柳社「ますかっと」、時実新子「川柳展望」等で頭角をあらわし寺尾俊平「川柳塾」、片柳哲郎「新思潮」、時実新子の「川柳大学」の創立に参加。その後は「MANO」「バックストローク」を立ち上げ、現代川柳のリーダーとして全国に活動の幅を広げ、短詩型の枠を超えて多くの作家に影響を与えた。
石部明と親交のあった堺利彦(監修者)、前田一石・樋口由紀子・畑美樹(編集者)が企画編集。

琵琶湖などもってのほかと却下する
月光に臥すいちまいの花かるた
アドリブよ確かに妻をころせたか
てのひらをうっかり見せてしまうなり
梯子にも轢死体にもなれる春
死ぬということうつくしい連結器
縊死の木か猫かしばらくわからない

目次

はじめに(前田一石)
馬の胴体
賑やかな箱
遊魔系
冬の犬
冬の犬以後
あとがき(樋口由紀子)
編集後記(畑美樹)
監修のことば(堺利彦)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yumiha

32
『教誨師』(堀川惠子)の渡邉普相から教えられた悪人を想起した。人殺しとか強盗とかの悪人ではなく、誰もが持っている負の感情や悪意を意識している人である。逆に言えば、善人は「何も悪いことはしていない」「自分は正しい」 と平然と言い放つ人である。「チベットへ行くうつくしく髪を結い」は、石部明流の善人の姿かもしれない。「罪の数だけは聞える石屋の音」「死顔の布をめくればまた吹雪」「向きおうて死者も生者もめしを食う」など悪人をさまざまに描いた句が圧巻な川柳句集。2020/02/01

2
「川柳は、言語表現として滅多に成功することのない絶望的な形式なのである。」(18頁) ランドセル背負う死の国生の国/諏訪湖とは昨日の晩御飯である/さびしくて他人のお葬式へゆく/一本の縄とはしゃいでいる命/指で輪を作ると見える霊柩車/フラスコへ一滴たらす父祖の土地/バスが来るまでのぼんやりした殺意/梯子にも轢死体にもなれる春/軍艦の変なところが濡れている/春という一語をもって刺しにゆく/一人ずつ死ねばいいのに雪の朝/少年の魔物を飼っているバケツ/光りつつあなたしずかに腐乱せよ/たましいを抜かれる雨の理髪店2020/01/27

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