創元推理文庫<br> 汚れた雪

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創元推理文庫
汚れた雪

  • ISBN:9784488292041

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内容説明

イタリア・アルプス山麓の美しい町アオスタに、ある事件がきっかけでローマからとばされてきた副警察長ロッコ・スキャヴォーネ。彼は、スキー場で圧雪車に轢かれた遺体発見との知らせを受ける。それは単なる事故ではなかった。ほとんどの住人が親戚どうしという小さな町で起きた殺人事件! 定年後は妻と南仏で暮らすのが夢だったロッコは、目的のためには犯罪にすら手を染める男だ、彼自身の信条に従って。女には手を出す、マリファナタバコは吸う……、だが警察官としての腕は誰もが認めざるを得ない、荒技も辞さないローマ男が難事件に挑む。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

★Masako★

81
★★★★ 不祥事を起こしローマからイタリア北西部の小さな町に飛ばされた副警察庁ロッコ。口が悪くて女好き、マリファナは吸うわ、すぐにカッとなるわ、時には犯罪にも手を染める。でもどんどん好きになっていくのは何故だろう。それはフォントと字体を変えて時折挟まれるページに、ロッコの妻への愛や優しさ、過去への悲しみ苦しみを垣間見ることが出来たからだろうか。部下のイタロと少しずつ距離を縮めていく感じがまたいい。そしてあのラスト…途中でわかったが、う~ん、切ない。シリーズ10作以上あるようなので、早く翻訳されて欲しい!2020/08/18

aquamarine

81
スキー場の抜け道で圧雪車に轢かれた遺体。ローマからアルプス山麓の村に飛ばされてきた副警察長ロッコが部下イタロと共に事件を追う。正直ミステリとして突出してるわけではないが、愛妻家でありながら犯罪に手を染めることも厭わないこのいけ好かないロッコという男が、ページをめくるごとに魅力的になっていき、イタロとの距離感の変化がわかるころには彼自身の秘密も少しずつ垣間見え、想像がつき、切なさと愛しさで夢中になっていた。おそらく今後過去にも向き合うことになるのだろう。この魅力的なロッソとイタロのこの先も追いかけてみたい。2020/08/16

ずっきん

80
むあー、面白かった。つか、大当たりだ。愛するローマからアルプス山麓へと飛ばされたロッコ。女好きで犯罪に手を染めることも厭わないこの男がもー、とにかくいい。皮肉屋でユーモアに溢れ、周囲を彩るキャラがヘタレから悩殺系まで多彩で、終始ニヤニヤしっぱなしだったもんね♪ 事件そのものは、二時間サスペンスの王道を陳腐なほどに踏襲するが、それ、どこで?どうやるの?とワクワクが止まらない。本国ではシリーズ10まで刊行されている模様。ジャンル的にはフロストシリーズぽいのかなあ。ローマ野郎だけれど(笑) 激オススメ!2020/03/15

seacalf

75
久しぶりに大好物のミステリ。偏屈でろくでなしで、でも魅力たっぷりのぼやき屋が主人公なのだから、もうたまらない。時には脅し、時にはひっぱたきながら熊がのしのし歩くかの如く捜査を進めていくので、彼に対峙しなくてはならない人にはたまったものではないが、読み手としてはすこぶるスムーズに話が読める。まあ、ひどい主人公なのだが、スリランカ人が登場する辺りからぐっと彼の魅力に惹かれて大好きになってしまうのだから、作者の思うつぼ。本家イタリアでは続編がたっぷりあるそうなので、次なる翻訳が楽しみ。2020/09/12

ナミのママ

58
イタリアのミステリ。雪の季節が終わる前に読めて良かった。事件はアルプス麓のスキー場、圧雪車に轢かれた遺体。小さな街は住民が親戚だらけ。面白いのはこの犯人探しだけじゃない。ローマから飛ばされた主人公の副警察長ロッコ。クチが悪い皮肉屋。ローマで何があったのかはまだ謎。周囲の地元警察官も個性的、アタマ悪すぎて笑える。本国ではTV化されたシリーズとのこと、続きが読みたい!2021/03/06

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