内容説明
柳田邦男『空白の天気図』、立花隆『田中角栄研究』、沢木耕太郎『一瞬の夏』……。十八の名作はいかにして生まれたのか。「ノンフィクション冬の時代」の今こそ読んでおきたい作品を厳選。巻末に沢木耕太郎氏との対談「鋭角と鈍角――ノンフィクションの方法論について」を収録。
(本書で紹介する作品)
柳田邦男『空白の天気図』/本田靖春『不当逮捕』/澤地久枝『妻たちの二・二六事件』/鎌田慧『逃げる民』/ジョージ・オウエル『カタロニア讃歌』/立石泰則『覇者の誤算』/沢木耕太郎『一瞬の夏』/野村進『日本領サイパン島の一万日』/田崎史郎『梶山六 死に顔に笑みをたたえて』/小関智弘『春は鉄までが匂った』/佐野眞一『カリスマ』/デイヴィッド・ハルバースタム『ベスト&ブライテスト』/柳原和子『百万回の永訣』/保阪正康『昭和陸軍の研究』/最相葉月『星新一』/大崎善生『聖の青春』/河原理子『フランクル『夜と霧』への旅』/立花隆『田中角栄研究』
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
102
ノンフィクション作家が同じ分野の本を18作推薦しています。ところどころを引用しながらのその時代や作家の思っていたことなどをうまく描かれていて読もうという気にさせてくれます。私もノンフィクションは好きで、ほとんど読んでいるかなあと思っていたのですが未読が7作もありました。最後に後藤さんと沢木耕太郎さんの対談があり非常に面白く感じました。沢木さんが後藤さんの作品で一番と思っているのが「スカウト」で私と同じ思いでした。広島の木庭スカウトの話をまとめたもので本当に印象に残っています。巨人のスカウトは必読。2017/09/04
ぐうぐう
23
18作ものノンフィクション本を紹介する『探訪 名ノンフィクション』。チョイスされる作品が、それぞれの著者の代表作というわけでは必ずしもない。後藤正治が個人的にインパクトを受けた作品が選ばれている。大胆だなと思うのは、書き出しだけではなく、結末の箇所まで積極的に引用されている点だ。確かに、出だしとラストには著者の想いが強く込められてはいる。ただ、その肝心な箇所を引用するのは、刊行まで何年も掛けて取材・執筆してきた著者達に対して、どこか礼儀に欠ける所作のような気がしてしまうのだ。(つづく)2017/08/12
春風のぼる
8
ノンフィクションの名作を、ノンフィクションの大家が要旨・印象・感想をまとめるといった内容。様々なスタイルがあります。 言ってみれば、松本人志さんがお笑いの品評・感想を述べるようなものと言うと飛躍しすぎか。巻末には沢木さんとの対談あり。『聖の青春』また読んでみたいなあと思いました。2015/12/11
yokmin
7
沢木・後藤対談 (沢木)"One More July"のようなものがやりたかったと。うーん、あの本は引っ越しの時、捨ててしまった。もう一度読んでみたいが、さて手に入るか。未読の「ベスト&ブライテスト」「カリスマ」も読んでみたい。ところで「探訪 名ノンフィクション」と題するからには、カール・バースタイン、ボブ・ウッドワード「大統領の陰謀」や開高健の著作も入れて欲しかった。2013/12/15
Kanae Nakajima
5
ノンフィクションの名作が生まれた背景を、著者本人または関係者に取材して紹介した作品。セレクトが面白いな、と思いつつ読んでいたら、巻末の沢木耕太郎さんとの対談で沢木さんが似たような感想を。お二人のスタンスの違いが逆に日本のノンフィクション界を豊かにしているのかな、と思わせられる対談で、興味深い内容でした。2014/08/04
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