内容説明
人気作家・角田光代さんが雑誌オレンジページにて14年に渡り連載を続けているエッセイ「散歩」シリーズ第4弾。
多忙ななか、京都出張の折りに震えるほどおいしい卵サンドに出会ったり、魚卵好きで朝から明太子のために行列に並んだり。迷路のような渋谷で途方にくれたり、まったく進まない本棚整理を楽しんでいたり。
あっという間に過ぎてしまう日々のできごとを鮮やかに描いた1冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶち
96
楽しいエッセイです。私が崇めている食にまつわるエッセイの書き手の一人である角田光代さんですが、食べ物以外のことでも「ウン、ウン、そうなんですよ」と深く頷くことばかりです。章タイトルがとても面白いです。「万能という恐怖」「ティッシュの善意」「ヌレギニストたち」「ホラーさん」……などなど。お話の内容とタイトルのマッチングが絶妙で、内容に更なる深みが加わるようです。そして、章末に載せられた写真とそれに添えられたコメントにニンマリしたり、感嘆しちゃったり...。角田さんの素晴らしいセンスにあやかりたいです。2024/03/19
aoringo
84
実は角田さんに顔が似ていると言われたことがあって、うれしいし光栄なのだけど、ちょっと複雑なのはなぜ...?雑誌に掲載されていたエッセイをまとめた本作。うなずけるところも多くて、何より読みやすかった。やっぱり角田さんの文章が好きなんだなぁと再認識できました。2021/06/08
ぶんこ
75
オレンジページの連載が14年も続いていることに驚きました。何気ない日常だからこそなのでしょうか。時たま載っているトトちゃんの写真がいい。「〜の会」と名付けて集まるのが好きとの事、コロナの今はもどかしいでしょう。猫を買い始めてから、猫グッズに嵌ってしまう気持ちに激しく共感しつつも、全体に猫の絵のズボンにはひきましたが、見てみたい。飾らない人柄が伝わってきて益々好きになりました。2020/06/27
Ikutan
74
説得力がある文章が魅力の角田さん。今回も、共感したり、へぇーって感心したり。オレンジページに掲載されたとのことで食べ物にまつわるお話が多かった。旅先での出会いは魅力がいっぱいですね。京都の卵焼きサンドへの執念にはびっくり。私も、コロナ禍がおさまったら食べに行きたい。肉好きな角田さんですが、最近は肉の脂がきついらしい。そうか、角田さんも50代なんですね。時代の変化を振り返ったり、健康に関する話題もちらほら。緊張するとあくびが出るというのは初耳でした。猫愛は変わらずですね。トトちゃんの可愛い写真に癒された~。2020/04/16
ネギっ子gen
70
『オレンジページ』書籍化の第4弾。「京都の卵サンド」推すねぇ。じゃ食べに京都へ行くしかないか。京都も以前と大いに違い、あの高かったホテル代が値引きされているようだし。とはいえ、このご時世に観光目的で出掛け、万が一コロナ頂戴したら、非国民扱いだしなぁー。はて。で、確かこのサンド、ケンミンショーでも話題になったはず、とググると、おー我がクックパッドに「京都マドラグの店主が教えてくれたレシピ」ってのが、あるわ。じゃ、ひとつチャレンジしてみましょうかねぇ。コロナ騒ぎが収束すれば、そんな時間の余裕もなくなるし……⇒2020/03/20