母ふたりで“かぞく”はじめました。

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母ふたりで“かぞく”はじめました。

  • 著者名:小野春【著】
  • 価格 ¥1,265(本体¥1,150)
  • 講談社(2020/03発売)
  • ポイント 11pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065183021

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内容説明

東京オリンピック、楽しみですね。

このスポーツの祭典の精神「オリンピック憲章」に、「性的指向による差別は許されない」という条項があるのご存知でしょうか? そして日本では、同性婚を認めないままオリンピック開幕の日を迎えようとしています。

2019年2月14日、バレンタインデーの日に東京、大阪、名古屋、札幌の4カ所で、同年の9月5日には福岡でも、日本初の同性婚についての集団訴訟(「結婚の自由をすべての人に」訴訟)が、国を相手に起こされました。本書の著者、小野春さんはその訴訟の原告のひとりです。

小野春さんは、40過ぎの“ごく普通のおばさん”です。
ただひとつ違うのは、バイセクシャルであるということ。

自分のセクシュアリティに気づくのが遅く、それをはっきりと認識した時は、すでに猛烈な“孤育て”の真っただ中。それが、親子ともども風邪をひき、高熱を発して寝込んでいた寒さ厳しい冬のある日、救世主が現れるのです(ウォッカのビンをぶら下げて)。彼女の名前は麻ちゃん。それから、運命の糸に操られるようにふたりは惹かれ合い、やがてお互いを同性パートナーとして人生を歩む決意をします。

麻ちゃんと同性カップルとして生きていくのは、常に「ビクビクと」「しかたなく」「迷いに迷いながら」「やむにやまれず」の連続でした。それぞれの連れ子3人を育て始めてぶつかった、娘からの猛烈な反発と自己嫌悪。敬虔なカトリック信者である母親へのカミングアウト。しかし、どんなに壁にぶつかろうとも、それをひとつひとつ乗り越えるたびに、新たな人と繋がり、思わぬ体験をした小野春さんは、いつの間にか国を相手に訴訟(ケンカ)をすることになってしまうのです。

バイセクシャルの春さんとパートナー麻ちゃんが、母2人子ども3人の“かぞく”を作り上げるまで。そして自分と同じような子育てをするLGBTの仲間を支援する団体「にじいろかぞく」を立ち上げ、「結婚の自由をすべての人に」裁判に至るまで。

その約20年間にわたる、めったにない“かぞく”の顛末を書きつくします。

目次

プロローグ “孤育て”という名の崖っぷちで
第1話   小野春のこと
第2話   麻ちゃんのこと
第3話   子どもたちのこと(幼少期)
第4話   結婚式のこと
第5話   両親のこと
第6話   子どもたちのこと(思春期)
第7話   社会に出て行くこと
第8話   乳がんのこと
第9話   裁判のこと
エピローグ これからのこと

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かのこ

50
ご本人曰く、夕方のスーパーで投網を打てばたんまり捕まえられるようなごくごく普通のおばちゃんである作者・小野春さんが同性のパートナーと家族をつくり、国をあいてどる訴訟を起こす。とてつもない行動力の持ち主だと思うけど、ごくごく普通を自認する春さんの視点は、当事者でない私と重なり合うところも多く、とても読みやすかった。(パートナー・麻ちゃんとのひかえめな馴れ初めにも微笑んでしまう)お父さんの言葉どおり、いつか必ず同性婚が認められる世の中はやってくるはず。早く幸せに生きられる人が増えたらいいなと思う。2022/01/02

katoyann

18
「結婚の自由をすべての人に」訴訟(同性婚訴訟)の原告のひとりである著者が同性カップルとして結婚式を挙げて、家族生活を営んでいく上で突き当たった課題や心の葛藤をまとめたエッセイ。実の親にカミングアウトしたときのエピソードや病院でのエピソードなどが詳細に書かれている。平易な内容ながらも結婚関係を認められないことにより、企業の福利厚生や介護支援制度(110頁)が適用されないことも含め、社会保障の適用外となって生活がしにくくなるという同性カップルの実態を明らかにしているため、同性婚の必要性を理解するのに役立つ。2025/01/16

えりまき

9
2020(250)レズビアンカップルの結婚とTVで紹介されていて興味を持ち、軽い気持ちで読んでみたらLGBTの深いお話でした。「結婚できないということは1000個の社会保障を受けられていないということ」「結婚の自由をすべての人に」訴訟。理解ない世間にご苦労されている様子がリアルに伝わりました。理解あるお子様たちに救われます。誰もが平等に社会保障が受けられますように。2020/10/04

貧家ピー

7
同性パートナーとお互いの連れ子3人を育てるようになった経緯から、母2人・子ども3人の家族を作る葛藤・悩み、子育てするLGBT団体立ち上げ、同性婚集団訴訟の原告の一人になるまでが書かれている。パートナーの娘の反発に悩み、LGBTの問題ではなくステップファミリーとしての悩みであると気づく辺りは本質をついていると感じた。 著者の息子が思春期になりパートナーに「俺にあれこれ言うな!親でもないくせに!」と言い放った返しが、「親でもないのに、こんだけやってもらって、むしろ感謝しろ!」。なんて素晴らしい言葉だ。2022/10/26

カモメ

5
性自認や性指向の揺らぎや性別二元論への戸惑いがリアル。結婚式の一般的な装いも違和感を抱く人たくさんいるのではと思う。性自認が曖昧だからこそ麻ちゃんは「母親」役割に一線を引いた自然体のスタンスで継子と関係構築できたという考察はなるほどと思った。「結婚の自由をすべての人に」訴訟という名前はトランスの方への配慮や性別二元論への抵抗があるのだと感じ取った。2023/02/04

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